会社も仕事もスキルも永続しない
最も深刻なのは、定年まで「今の会社がある」「今の仕事がある」「スキルが通用する」と考えている人が、いずれも半数未満という結果だ。技術革新のスピードが加速し、産業構造が激しく変化する中で、会社の存続も、職種の存続も、スキルの有効性も、すべてが不確実になっている。

安定して仕事を続けていくために必要なものは、「昇給」などの経済的余裕、「スキルの習得」「AI的思考」などの自己成長、「ワークライフバランス」「人間関係」などの心身の健康だった。「リモートワークの継続」や「経営基盤の安定」など職場環境への期待もあった。
興味深いのは、昇給とスキルアップの両方を重視している点だ。給与という目に見える安定と、スキルという目に見えない資産の両方を求めていることは、どこでも通用する力を身につけたいという意識の表れといえる。

変化を前提としたキャリア設計へ
「会社も仕事もスキルも永続しない」という前提で働く時代が来ている。充実感、安定感をもって働くには、変化を前提にキャリアを設計する方が現実的だろう。ひとつの会社、ひとつの職種、ひとつのスキルセットに依存せず、複数の選択肢を持ち続けることが、新しい時代の「安定」となる日が来ているのかもしれない。
【調査概要 】
調査期間:2025年8月8日~8月18日
調査方法:WEB調査
調査対象:正社員800名(20代~50代の男性400名、女性400名)
出典:マイナビ転職「キャリア危機に対する意識調査」


