ひとつの会社で定年まで働き続けるという、かつては当たり前だったこのキャリアモデルは、今どれほど現実的なのだろうか。
マイナビが正社員800名を対象に実施した「キャリア危機に対する意識調査」から、働く人々が抱える不安の実態が浮かび上がった。
6割超が「キャリア危機」を実感
なんらかの事情で今の仕事を続けることができなくなる「キャリア危機」が起こりうると感じている人は全体で66.8%にのぼった。年代別では、20代が57.0%、30代が66.0%、40代は76.5%と高くなり、50代では67.5%となった。

40代が最も高い危機意識を示した背景には、組織内での立場の変化やスキルの陳腐化への不安、さらには親の介護や子どもの教育費といった経済的負担が重なる時期であることが影響していると考えられる。
給与・健康・AIが危機の要因
キャリア危機が起こりうる要因は、「給与が低い・上がらない・今後下がりそう」が26.8%でトップ、「健康問題」が26.6%、「仕事がハード」が19.4%と続いた。

注目すべきは、「AI失業・スキルが通用しなくなる」が13.6%、「勤務先の倒産・経営悪化」が11.1%で上位にランクインしている点だ。会社が存続し続けること、スキルが通用し続けることは当たり前ではないという危機感が広く浸透しているようだ。
給与の低さを要因にあげた人の現在年収の中央値は400万円だった。一方、将来不安なく生活できそうな年収は700万円で、300万円のギャップがある。この差が、今の仕事を続けていくことへの不安となっている可能性がある。




