米国の大衆文化において、ロボットの歴史は長い。映画だけを見ても、その進化は明らかだ。ヒト型ロボットの主要キャラクターとしての最初期の描写は1927年、ドイツの叙事詩的映画『メトロポリス』にさかのぼる。その後の百年で、歌うような『オズの魔法使い』の「ブリキ男」から威圧的な『地球の静止する日』の「ゴート」へ、『スター・ウォーズ』から『ターミネーター』や『トランスフォーマー』へと変化していった。
そして今、過去のサイエンス・フィクションが、製造業、ひいては社会の未来の現実の一部になろうとする転換点に、われわれは突然立っている。ヒト型ロボットはより高度で有能になっており、専門家の見立てを信じるなら、労働力の重要な一角を担うまでに時間はかからないだろう。ゴールドマン・サックスは、この市場が今後10年で380億ドル(約5兆8500億円)に達する可能性があると推計し、フォーチュン・ビジネス・インサイツはさらに速い成長を見込み、2032年までに660億ドル(約10兆1600億円)に達するとしている。
それは恐ろしく聞こえるかもしれないが、実のところ朗報でもある。世界の労働力は業界横断で深刻な人手不足が続いているからだ。コンサルティング会社コーン・フェリーの報告によれば、2030年までに8500万人から1億人の労働者が不足し、GDPに8.5兆ドル(約1309兆円)の損失が生じるという。米国内では、2033年までに製造業で190万人の人手不足が予想され、製造業の国内回帰(リショアリング)と産業再活性化の取り組みが頓挫するリスクがある。
人間であれロボットであれ、労働力が必要なのは変わらない。では、工場におけるヒューマノイドの大きな可能性を実現するまで、どれほど近づいているのか。将来、ロボットと人間はどのように協働するのか。筆者は、ヒューマノイド・ロボティクス最前線の企業に投資するHumanoid Global(ヒューマノイド・グローバル)のCEO、シャハド・サミミに話を聞き、この技術の可能性について見解を求めた。



