アマゾンの株価は米国時間10月30日の時間外取引で10%急上昇した。これは取引中に記録した3%の下落を大きく上回る動きであり、同社が発表した第3四半期(Q3)決算が、売上高および利益の両方において市場予想を上回ったことが背景にある。
アマゾン株は、決算発表前の通常取引では3.2%安の222.86ドルで取引を終えたが、発表後の時間外取引では一時10%以上急騰し、最高で247.83ドルに達した。
アマゾンは今回の決算発表で売上高1802億ドル(約27.7兆円)、EPS(1株あたりの純利益)1.95ドルを報告し、そのいずれも市場予想を上回った。
アマゾンのアンディ・ジャシーCEOは、この好調な業績の一因としてアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の成長を挙げた。AWSの売上高は前年同期比で20%増加し、330億ドル(約5兆円)に達した。
またジャシーは、同社が先日、アンソロピックが開発したAIモデルの展開に向けて110億ドル(約1.7兆円)規模のAIデータセンターを開設したことに触れ、その背景には「アマゾンのAI関連製品への強い需要」があると述べた。
アマゾンの株価は今年これまでに1.6%上昇している。2025年は好調なスタートを切ったものの、ドナルド・トランプ大統領の対中関税政策による悪影響が懸念され、4月には167.32ドルまで株価を落とした。しかしその後、株価はそこから約20%上昇している。
先日、アマゾンは1万4000人規模のレイオフを発表したばかりだ。このレイオフは、より大規模な人員削減戦略の一環であり、報道によれば2033年までに最大60万人の従業員が自動化およびAIによって置き換えられる可能性があるという。
アマゾンは現在、マイクロソフトやグーグルといった競合に対抗すべく、AI関連製品とクラウドインフラの強化に取り組んでいる。Google Cloudの売上高は第3四半期に34%増加し、Microsoft Azureも同期間に40%増加した。
Geminiを展開するグーグル、そしてOpenAIと密に連携するマイクロソフトは、AIの分野でアマゾンをリードしているように見える。しかしそのアマゾンも、AIデータセンター設立や、OpenAIの競合であるアンソロピックへの80億ドル(約1.2兆円)規模の出資などによって、同市場に攻勢をかけている。
さらに、アマゾンは自社開発のAIチップ「Trainium 2」の採用拡大も進めており、年末までにアンソロピックがこのチップを100万個使用する予定とされている。



