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2025.10.31 11:30

メタ株が決算発表後に急落、マーク・ザッカーバーグの資産は「約4兆円減少」

Chris Unger/Zuffa LLC via Getty Images

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メタの株価が米国時間10月30日に10%以上下落し、マーク・ザッカーバーグの純資産から約250億ドル(約3.8兆円。1ドル=153円換算)が消し飛んだ。税金関連の費用がメタの四半期利益を市場予想を大きく下回る水準まで押し下げたことが影響した。今回の急落は、1日の下落率としては今年最大となる見通しだ。

メタ株は30日朝の取引開始後、12.3%下落し約658.50ドルとなった。これは2022年10月に記録した24.5%の下落以来、最大の1日の下げ幅である。

メタは29日、第3四半期のEPS(1株あたりの純利益)が前年同期比83%減の1.05ドルとなったと発表したが、これはFactSetがまとめた市場予想の6.72ドルを84%下回る数字だった。一方、売上高は512億ドル(約7.8兆円)で、こちらは495億ドル(約7.6兆円)の市場予想を上回った。

今決算でEPSが大幅に減少したのは、ドナルド・トランプ大統領の「一つの大きく美しい法案(One Big Beautiful Bill Act)」により、一時的な税負担が159億ドル(約2兆4500億円)増えたことが要因だとメタは説明している。同社はまた、2025年残りの期間、および今後の数年間における税負担は「大幅に減少する」見通しであると述べた。

さらに、この税負担を除けば、EPSは7.25ドルになっていたと同社は付け加えた。

また、同社は設備投資額の見通しを従来の660億〜720億ドル(約10.1兆~約11兆円)の範囲から、700億〜720億ドル(約10.7兆~約11兆円)へと引き上げた。ザッカーバーグCEOは、同社が「スーパーインテリジェンスの到来」に向けて「積極的に」準備を進めていると述べ、メタが「大きな機会における世代的パラダイムシフトの理想的な立ち位置にある」と語った。

メタのReality Labs(VRヘッドセットおよび、レイバンやオークリーと共同開発するAIスマートグラスを手がける部門)の売上高は4億7000万ドル(約719億円)だった一方で、44億ドル(約6732億円)の営業損失を計上した。これは、市場予想のそれぞれ3億1600万ドル(約483億円)、51億ドル(約7803億円)をやや上回る結果となった。

30日は下落となったものの、メタの株価は年初来では10%上昇している。AI需要の高まりに対応するため、同社は近年、巨額の投資を続けてきた。メタは2025年初め、AIスタートアップのスケールAIに143億ドル(約2.2兆円)を投資し、同社CEOのアレクサンダー・ワンをメタのAI部門であるSuperintelligence Labsの責任者として迎え入れた。

さらに、同社はAIインフラ構築に向けた複数の契約を締結しており、その中には8月にグーグルと結んだ、契約期間6年間、100億ドル(約1.5兆円)規模の契約も含まれている。

ザッカーバーグの推定資産は2363億ドル(約36.2兆円)で、現在は世界第5位の座にある。メタ株急落前までは、オラクルのラリー・エリソン(約48.2兆円)とイーロン・マスク(約75.1兆円)に次ぐ第3位だったが、現在はアマゾンのジェフ・ベゾス(約36.5兆円)とグーグルのラリー・ペイジ(約36.2兆円)に順位を譲っている。

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翻訳=江津拓哉

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