欧州

2025.10.31 13:00

欧米とウクライナはロシアに戦争終結を迫れるか? 制裁と無人機攻撃で

ウクライナ東部ドネツィク州で、無人機(ドローン)に弾薬を装填する同国の兵士。2025年9月3日撮影(Diego Herrera Carcedo/Anadolu via Getty Images)

しかしこれまでのところ、ロシアに戦争終結を迫る試みは実を結んでいない。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領もこれらの制裁の効果を否定している。だが、EU、英国、米国がロシアのエネルギー産業に科した今回の制裁が新たな効果をもたらす可能性があるとみる専門家もいる。

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筆者の取材に応じた米ペンシルベニア大学の上級研究員ベンジャミン・L・シュミット博士は「トランプ政権が先週発表したロスネフチとルクオイルに対する制裁は、遅きに失した感がある」と指摘した。「これはトランプ政権による歓迎すべき措置であるだけでなく、2022年にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以来、ロシアに対して科された最も重要な制裁となる可能性がある。これらの大手石油企業を積極的に制裁対象とすることで、トランプ政権はついにロシアの石油収入の供給源を断つ措置を講じる意思があることをプーチン政権に示したのだ。とはいえ、米財務省が最終的にこれらの措置をどれほど厳格に執行できるかは、時を経てみないと分からない。その広範かつ国際的な適用範囲を考えると、執行は困難を極めるだろう。制裁政策では常に言えることだが、こうした経済的制限の効果は、措置の堅固かつ厳格な執行に懸かっている。措置は移行期間を経て、今後数週間で完全に発効する予定だ。トランプ政権が、中国、インド、その他地域を問わずロシア産原油の二次的な買い手を積極的に追跡する意思があるならば、それはプーチン大統領のエネルギー資金源を永久に損なうべく、大西洋横断共同体を主導する上で大きな前進となるだろう」

米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)のティナ・ドルバイア上級研究員は筆者の取材に対し、「ロシアの石油輸出の75%が(現在)米国の制裁対象となっている」とした上で、次のように説明した。「国際エネルギー機関(IEA)は2026年に石油供給の過剰分が過去最高を記録すると予測しており、世界的な価格急騰のリスクは限定的だ。これにより、トランプ政権が対ロシア制裁を強化する余地が広がった」

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翻訳・編集=安藤清香

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