経営・戦略

2025.10.30 13:54

営業の新常識:BDRを廃止し、コンサルタント型アプローチへ

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ラファエル・モイセエフ氏は、CustomertimesのグローバルVPとして、グローバルに展開可能なAI駆動型マーケティングおよびビジネス開発エンジンを設計している。

ビジネス開発はしばしば数のゲームとして捉えられる。より多くの電話、より多くのメール、より多くのシーケンス。しかし、深みのない単なる活動量では、信頼関係はおろか、パイプラインすら構築できないことが多い。

そのため、当社では新人営業担当者を「BDR(ビジネス開発担当者)」と呼ぶのをやめた。当社の組織では、彼らはジュニアコンサルタントだ。この肩書きの変更は表面的なものではない。見込み客との関わり方や意味のある対話を構築する方法に対する、まったく異なるアプローチを反映している。

スクリプトよりも深い理解を

従来のBDRには、スクリプトとターゲットリストが渡されることが多い。私たちはそれを逆転させた。当社のジュニアコンサルタントは、自社のサービス、製品、業界、サービス提供先の業界、そして当然ながら顧客について可能な限り学ぶまで、電話に触れることはない。コンサルタント自身の知識の40%から50%を持っていれば、「これらの質問に答えられる専門家をご紹介しましょう」と言うには十分だ。

成果、専門用語、ユースケース、成功事例はすべて彼らの調査対象だ。見込み客の競合他社や潜在的な要件も調査する。そうした準備が整ってはじめて、電話に出るのだ。

見込み客は数秒で、あなたの話し方が本物か見せかけかを見抜く。準備は信頼性に直結し、信頼性はあらゆる会話の基盤となる。

量はまだ重要だが、正しい種類でなければならない

ほとんどの営業チームは今でも単なる活動量を追求している。私たちも活動量を増やした。1日100件以上の電話と毎月数百件のLinkedInでのコンタクトだ。しかし違いは、すべてのアプローチがカスタマイズされ、文脈に沿い、タイミングが計られていることだ。

その成果は明らかだ。パーソナライズされた冷たいメールは、一般的な大量送信メールと比較して最大32%高い返信率をもたらすことが示されている。また、高度なパーソナライゼーションを活用したキャンペーンは、テンプレート化されたシーケンスの5%と比較して、18%の返信率に達することがある。LinkedInでは、1つのパーソナライズされたメッセージが返信率を30%向上させることがある。

つまり、量はまだ重要だが、それが質の高い、パーソナライズされた、インテリジェントなものである場合に限る。

営業文化:説教ではなく、質問を

多くの営業電話は一方的な独白だ。最高の電話は対話だ。だからこそ、トレーニングでは探索的な質問、積極的な傾聴、純粋な好奇心の活用を強調すべきだ。コンサルタントは見込み客に話す機会を与えているか?適切なチャネルでフォローアップしているか?対面での会話を提案するタイミングを知っているか?これらの行動は、単なる活動数を達成することよりも重要だ。

実際、信頼関係の構築と押し売りではなく教育に焦点を当てたコンサルティング型アプローチは、コンバージョン率を向上させ、より強固な顧客ロイヤルティを育むことが分かっている。

見込み客が聞いてもらえていると感じれば、関心を持ち続ける。一方的に話しかけられると、関心を失う。それほど単純なことだ。

自信と確信が重要

技術専門家が電話に参加する際、情熱は譲れない要素だ。躊躇したり単調な話し方をしたりすると信頼性が損なわれる。確信が信頼性を構築する。魅力は必須だ。人は人から買う。見込み客は単に技術を購入するのではなく、そのソリューションが成果をもたらすという確信を購入するのだ。

私たちはチームに対し、エネルギーと権威を持って話すよう指導している。なぜなら、信念は伝染するからだ。

見込み客のビジネスケースに焦点を当てる

見込み客が問題を認識している場合もあれば、そうでない場合もある。いずれの場合も、私たちはコンサルタントに以下のような点を結びつけるよう訓練している:

• 競合他社がすでに行っていることを示す。

• 行動しないリスクを強調する。

• 最終的な影響を実証する。

• ROIの証拠を提供する。

ファネル上部での良いポジショニングはハイプではなく、なぜその会話が今重要なのかを即座に認識させることだ。重要なのは、コンサルタントが成果に焦点を当てていることだ。私たちは、見込み客に価値を提供していると心から信じている—その価値とは、彼らの役割をより影響力のあるものにし、意思決定に自信を持たせ、キャリアの軌道を改善するものだ。

役割の再考

この役割の進化は単に肩書きを変えただけではない。それは文化と結果を変革した。ジュニアコンサルタントは単にチェックボックスにチェックを入れるために電話をかけるのではない。彼らは批判的に考え、あらゆる会話に新鮮な視点をもたらすプロフェッショナルだ。そしてその変化は効果がある。

B2B購入者の86%が、自分のビジネス目標を理解している営業担当者から購入したいと言っている。これは、「売り込まれる」のではなく、理解されることがいかに重要かを示している。

最初のアプローチが計画されたピッチではなく、本物の会話のように感じられるとき、単に会話を始めるだけでなく、信頼に基づいたパイプラインを構築しているのだ。

ビジネス開発は変化している。購入者がかつてないほど情報を持つ時代において、スクリプトや表面的なコミュニケーションはもはや効果がない。勝利するチームは、BDRを真のコンサルタントに変革するチーム—最初から準備され、好奇心旺盛で、信頼できるコンサルタントに変革するチームだ。

あなたはビジネス開発チームがその基準を満たすためにどのように準備していますか?

forbes.com 原文

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