「丸投げ励まし」が若手の信頼を失う
また、スケジュールを心配する部下に「なんとかなるよ、とにかくやってみて」と声をかける管理職は8割にのぼった。だが、部下の35.3%が「いやな気持ちになる」と回答し、特に20代では半数近くに達している。
この言葉は“楽観バイアス”に支配された典型例である。若手世代は「明確な支援」を求めて相談したにもかかわらず、その回答は何のアドバイスにもならない「丸投げ」に感じ、不信感が生まれるのだ。「困ったらすぐ相談して」「サポートできるようにしておくね」という“伴走の言葉”への転換が信頼関係を保つ鍵である。
「頑張って」は部下のモチベーションを下げる
「みんな頑張ってるから君も頑張って」という言葉を管理職の68%が使用しているが、部下の35.3%は「いやな気持ちになる」と答えた。
このフレーズは“協調性バイアス”に影響されており、本人の努力を誰かとの比較で押しつぶしてしまうフレーズだ。上司は鼓舞したつもりでも、部下には「あなたの努力は平均的」と受け取られる可能性がある。「君の取り組みがチームを支えているよ」と、個人の貢献を明確に認める表現が求められるだろう。
「まず指示通りにやってみて」もNG
また、「まず指示通りにやってみて」と言う管理職は8割近くいるが、一方で部下の30.6%が「いやな気持ちになる」と回答した。
この言葉は“確証バイアス”の影響が強い。上司にとっては安全な言い回しだが、部下から見れば「考える余地がない」と感じる。信頼を育むには、「この方向で進めてみよう。気づいたことがあれば教えて」と付け加えることが重要だ。
言葉の終わりを開くマネジメントへ
これらの定番フレーズに共通するのは、会話を終わらせる構造である。上司が会話を閉じれば、部下は発言する機会を失い、知恵を授かろうと上司に頼ったにもかかわらず、結局は「丸投げ」と受け取ってしまい、上司への信用を失ってしまう。
反対に「言葉の終わりを開く」上司ほど、チームの空気は柔らかくなる。リーダーシップとは、何を言うかではなく、どう簡単に終わらせないかで決まる時代になったのかもしれない。


