ペイパルは米国時間10月28日、OpenAIとの提携を発表し、自社のデジタルウォレットを「Agentic Commerce Protocol(ACP)」を通じてChatGPTに導入すると明らかにした。ACPは「Instant Checkout」を支える仕組みであり、ユーザーがチャット内で直接買い物や決済を行うことを可能にするものだ。
ペイパルによると、この提携によりChatGPTのユーザーはペイパル決済が利用できるようになり、ペイパルの加盟店はChatGPT上で直接取引処理を行うことが可能になるという。
ペイパルのプレスリリースによれば、同社のデジタルウォレットはChatGPTの「Instant Checkout」に統合され、銀行口座、残高、カードによる支払いに対応する予定である。
しかしながら、現時点では正式なサービス開始日時は発表されていない。
この発表を受けて、ペイパルの株価はプレマーケット取引で17%超上昇し、その後も約8%高の水準で推移している(米国記事執筆現在)。
ペイパルはまた、ACPを活用し、2026年にはファッション、美容、住まい関連商品、電子機器などの分野にわたり、中小企業や大手ブランドの商品カタログをChatGPTに統合する計画も明らかにした。
加えて、ペイパルは同社の2万4000人以上の従業員を対象にChatGPT Enterprise(コンテンツ生成、データ分析、コード作成などビジネス用途に特化したChatGPTの法人向けバージョン)の導入拡大を進める。
ペイパルのアレックス・クリスCEOは声明で次のように述べた。
「毎週、数億人のユーザーがChatGPTを日常業務に取り入れているだけでなく、好きな商品を見つけるためにもそれを使っている。そして、4億人以上がペイパルを使って買い物をしている」。
この提携は、ChatGPTを電子商取引のハブにしようとするOpenAIのこれまでの取り組みの中でも、最も重要なものとして見られている。OpenAIが抱えるおよそ7億人の週間アクティブユーザーが、AIをパーソナルアシスタントとして活用しながら買い物できるようになるからだ。OpenAIはこれまでにウォルマート、エッツィー、ショッピファイなどと提携し、チャット内での購入機能をすでに導入済みだ。これは、小売の主導権がAIエージェントへ移行しつつあることを示している。
市場の反応も強かった。それぞれの提携が発表された後、ウォルマート株は約5%上昇し、エッツィー株は16.8%、ショッピファイ株は6.2%上昇した。
OpenAIがこのエコシステムを拡大する中で、ペイパルはその動向を注視し、AI主導型ショッピングの決済基盤における重要プレイヤーとしての地位を確立しようとしている。これは、同社によるグーグルやパープレキシティとの最近の協業の延長線上にあるとCNBCは報じている。
アドビの調査によると、米国の消費者の約38%がすでに生成AIをオンラインショッピングに利用しており、52%が今年中に利用する予定であるという。



