健康

2025.10.30 10:45

CBN規制はなぜ今か―妥当性と実務設計の論点

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実務に必要な「三点セット」:段階導入/分析基準/医療的アクセス

1.段階導入(最低1か月の猶予)
 公布後10日は短いと考えます。最低1か月程度の猶予を設け、猶予中は新規販売・セールを停止。併せて回収・廃棄の手順(産廃区分、証憑様式、費用感)を明示し、ECや決済事業者を含む統一周知を行うべきです。

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2.分析基準の明確化(LOQ/標準法/判定フロー)
 THCがCBNへ変換し得る点を踏まえ、LC–MS/MS等の標準分析法、定量下限(LOQ)、LOQ未満の扱い、再検査・ロット判定フローを通知で統一することが重要です。THCで採っている下限値の考え方と整合させれば、現場の過剰対応や恣意を抑えられます。

3.医療等用途の限定ルート(透明化)
 医師管理下での限定使用・研究枠について、申請様式・審査期間の目安を含め運用を透明化し、患者救済のルートを確保することが望まれます。THCVの先例を参照可能です。

併せて、規制の優先順位付けも提案します。強い精神活性を示す合成カンナビノイドは引き続き迅速・先回りの枠組みで、天然成分は比例原則(数量、意図性、改善計画の余地)に基づく運用へ、という棲み分けが適切です。

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パブコメでの私案(要旨)
 1.施行は最低1か月の猶予を設定(新規販売・セール停止、回収・廃棄ガイド明示)。
 2.標準分析法・LOQ・判定フローの統一(THC下限値の考え方と整合)。
 3.医師管理下の限定使用・研究枠の明確化(申請様式・審査目安の提示)。
 4.合成類縁体は迅速規制/天然成分は比例原則の運用徹底。
 5.業界団体との事前協議から段階導入までの標準プロセスを公表。
 6.FAQ・教材を用いたリスクコミュニケーション(CBD、CBN、THC、合成類縁体の整理、メディア連携)。

反対ではなく、実務の丁寧な詰め直しを求める立場です。

最後に

CBNには一定の精神作用があると考えています。合法当時に提供を受けたサンプルの経験からも、一般消費者が日常的に使うべきかは慎重であるべきだと感じました。運転等のリスクや子どもの誤飲なども想定すべき論点です。一方で、天然成分の規制は患者利益や既存流通への配慮を伴う丁寧な運用が必要です。今回を機に、CBD市場の健全化へプレイヤーが注力できるよう、段階導入と明確な技術基準、そして適切な周知によって、実効性と社会的コストの最小化を両立させたいと考えます。

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