フォックスコン(鴻海[ホンハイ]精密工業)は、米半導体大手エヌビディアの主要なAIサーバー製造パートナーである。今回フォックスコンが、AIデータセンター向け設備を調達するために最大420億新台湾ドル(2090億3000万円)を投資する計画を発表した。
台北拠点のフォックスコンは、月曜日の証券取引所への届け出で、この投資を自己資金で2025年12月から2026年12月にかけて実施すると述べた。フォックスコンは、投資の目的はクラウドコンピュートサービスプラットフォームの拡張と、「三つのスマートプラットフォーム」――すなわちスマート製造、スマート電気自動車(EV)、スマートシティ――の開発を加速することにあると付け加えた。
この発表は、フォックスコンが5月にエヌビディアとともに台湾で100メガワット規模のAIデータセンターを建設すると発表した直後のものだ。同社はこの設備を活用し、工場の効率を高め、EVの先進運転支援システム(ADAS)を開発し、台湾におけるコネクテッド交通システムを最適化する計画だ。
売上高ベースで世界最大の電子機器受託製造企業であるフォックスコンは、アップルのiPhone組立からAIサーバーの生産へと収益源を多角化することに成功している。第2四半期には、AIサーバーおよびその他のクラウド/ネットワーキング製品からの収益が、スマート消費者向け電子機器の収益を初めて上回った。6月までの3カ月間における同社の売上高1兆8000億新台湾ドル(約8兆9600億円)のうち、AIサーバー事業セグメントの寄与は41%で、スマート消費者向け電子機器部門は35%であった。同社は世界のAIサーバー市場で40%以上のシェアを保有していると主張している。
8月には、フォックスコンは米オハイオ州のEV工場を日本の投資大手ソフトバンクに売却し、AIサーバーの製造拠点とする計画を明らかにした。台湾企業である同社は引き続きこの工場を運営し、ソフトバンク、AIの旗手オープンAI、クラウド大手オラクル、アブダビの政府系ファンドMGXが支援する、総額5000億ドル(約76兆円)規模のAIデータセンター事業「Stargate」(スターゲート)に必要な装置を生産する予定だ。



