北米

2025.10.31 09:00

米カリフォルニア州知事ニューサムの「ビジネス帝国」──トランプ大統領との共通点は

ギャビン・ニューサム カリフォルニア州知事(Photo by JP Yim/Getty Images for Clinton Global Initiative)

ギャビン・ニューサム知事の資産リスト(1/2)

PlumpJack Wine & Spirits(2店舗)
所在地:カリフォルニア州サンフランシスコ

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すべての始まりとなったこの店を、ニューサムは1992年にサンフランシスコの高級ショッピング街フィルモア・ストリートで開業した。店舗は1928年に建てられた低層アパートの1階部分を賃借しているとみられる。ニューサムの財務開示によれば、この事業および賃借権の持ち分はいずれも10万ドルから100万ドル(約1500万円~1億5000万円)の範囲とされている。2号店は2001年、同市ノー・バレー地区にオープンした。

PlumpJack Estate Winery
所在地:カリフォルニア州ナパ

PlumpJackのポートフォリオで最初のワイナリーは、1995年にニューサムとゲティが自社ブランドのワインを販売する目的で開設した。総面積約23万平方メートルの敷地のうち、約17万平方メートルをブドウ畑として利用しており、1880年代に建てられたテイスティングルームと生産施設も併設されている。主力品種はカベルネ・ソーヴィニヨン。ニューサムの2024年の開示では、持ち分価値は100万ドル(約1億5000万円)超、年間収入は10万ドル(約1500万円)超と、それぞれ最高区分に分類されている。同ワイナリーの創業30周年を記念した最近の特集によると、生産量は1万5000ケース、従業員数は28人で、そのうち20人が畑の管理を担当しているという。

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CADE Estate Winery
所在地:カリフォルニア州アングウィン

シェイクスピアが作中でワイン樽を意味する言葉として用いた“cade”にちなんで名づけられた、PlumpJackの2番目のワイナリー。2005年、ニューサムがサンフランシスコ市長に就任して2年後に取得した。ハウエル・マウンテンの斜面に位置し、敷地は約22万平方メートル。そのうち約11万平方メートルが土地信託に組み入れられ、約7万3000平方メートルにカベルネ・ソーヴィニヨン、約8000平方メートルにマルベックとプティ・ヴェルドが植えられている。残りはワイナリー施設として利用されており、有機農法と太陽光発電を採用したことから、建物はゴールドLEED認証を取得している。2020年の「Glass wildfire(グラス・ワイルドファイア)」と呼ばれる大規模火災で被害を受け、2022年には融資元だったシリコンバレー銀行の経営破綻によって生産が制限されたと報じられた。

Odette Estate Winery
所在地:カリフォルニア州ナパ

3番目のワイナリーは、ナパ・バレーの中でも気温が比較的低いスタッグス・リープ地区に位置し、2012年に開業した。面積は約18万平方メートルで、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、マルベック、プティ・ヴェルド、カベルネ・フランの5品種を栽培している。名称の「オデット」はチャイコフスキーのバレエ『白鳥の湖』の王女に由来し、テイスティングとワイン生産に使われる洞窟の入口は、白鳥の翼を模したデザインになっている。ニューサムの財務開示では、持ち分価値は10万ドルから100万ドル(約1500万円~1億5000万円)の範囲に分類されている。

CADE 13th Vineyard
所在地:カリフォルニア州アングウィン

ハウエル・マウンテンのCADE Estate Wineryからほど近い場所にあり、ニューサムが直接的な持ち分を申告している物件の中では最大規模のものとされる。名称の「13th」は、カリフォルニア州で13番目に「ボンド登録(連邦酒税保証)」されたワイナリーであることに由来する。敷地内では約33ヘクタールにブドウが植えられ、主にカベルネ・ソーヴィニヨンのほか、ソーヴィニヨン・ブラン、マルベック、プティ・ヴェルドも栽培されている。PlumpJackがこの物件を取得したのは2016年。近隣のエステートと同様、昼より夜のほうが気温が高くなる「気温逆転」の気候条件により、ブドウをより長く樹上で熟成させることができる。

PlumpJack Inn and Cafe
所在地:カリフォルニア州オリンピック・バレー

PlumpJackが最初のワイナリーを開設した同じ1995年、レイク・タホから数キロの場所にスキーイン/スキーアウト型のホテル兼レストランをオープンした。毎年11月と晩春の短期間を除き通年営業しており、かつて「スコー・バレー」と呼ばれていたこの地域(1960年冬季オリンピック開催地、当時はソ連が総合優勝)に55室を備える宿泊施設を構える。PlumpJackのポートフォリオに残る唯一のホテルであり、パームスプリングスとカーメル・バイ・ザ・シーにあった他の3軒は2019年に閉鎖された。同施設にはスキー板やヘルメットなどを扱うスポーツ用品店「PlumpJack Sport」も併設されていたが、同店は昨年閉店したとフェイスブック上で発表されている。ニューサムは財務開示の多くの年で、この店舗の持ち分を1万〜10万ドル(約150万円~1500万円)の範囲と申告している。

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翻訳=上田裕資

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