さらに中村は「“歌舞伎はこうあるべき”という固定概念のままやっていたら、歌舞伎は滅びてしまうかもしれないと思ったことで、表現の見方が変わった。ART歌舞伎など(新しい取り組みに対して)昔ながらの歌舞伎ファンの反応は気になるものの、それよりもどの新しい顧客層に響くのか、リサーチとアプローチを大事にしている」と続けた。現在は「歌舞伎×教育」にも取り組み、英語が得意な高校生による英語歌舞伎上演を支援しているという。
最後に藤吉が“グローバルへの可能性”を問うと、岩田は「(見学できる)工場に英語表記の展示を設け、海外客を迎える環境づくりを進めている」と語り、中村は「没入型の舞台体験を取り入れ、劇場の枠を超えていきたい」と展望を示した。
交流から広がる新たな輪

授賞式後に行われた懇親会では、受賞者である今西酒造の「みむろ杉」木桶菩提酛露葉風が乾杯酒として用意された。
室町時代より奈良に受け継がれる伝統技法で製造された希少な日本酒で、参加者らは仕込みに使用される吉野杉の木桶の香りと深い味わいを堪能しながら、会話を楽しんでいた。
受賞者同士はもちろんだが、会場内には過去の受賞者も多く訪れ、今回の受賞者と交流するシーンがあちこちで見られた。

回を重ねるごとに参加者が増えるにつれて、交流の輪が広がり熱気が高まっていく様子から、アワードの価値のさらなる向上と、これからの可能性が大いに感じられた。
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カルチャープレナー特集は「Forbes JAPAN 2025年11月号」に掲載されています


