ヘルスケア

2025.11.11 10:15

態度を変えて高い目標を立てた人が「ほとんどうまくいかない」決定的な理由

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高い目標を立てれば人は変われるか――。答えは否。科学的に見ると目標設定だけで人の行動は変わらないことがわかっている。必要なのは意志力ではなく環境を設計すること。組織心理学者ベンジャミン・ハーディが解き明かす、行動変容の科学。全米ベストセラーの邦訳版『全力化』(サンマーク出版)から一部抜粋、再構成してお届けする。


高い目標設定も、てんで役に立たない

南カリフォルニア大学の心理学者ウェンディ・ウッド博士によると、20世紀のほとんどの間、「人の行動を変えるには、その人のゴールと考え方を変えることだ」と科学者は信じていた。

ウッド博士は話す。

「人の態度をいかに変えるかを理解することにかなり焦点を絞った調査が行われました。『態度が変われば、行動も自然と変わるだろう』との前提で」

こうした考えのもと、「いかに自分の態度を変えて、高い目標を設定するか」についての科学的な調査や一般向けの啓蒙活動が、数多く行われるようになった。

その結果、どうなったか?

ほとんどの人にとっては、何も変わらなかった。

デューク大学の心理学者デイヴィッド・ニール博士によると、目標設定と態度だけに焦点を定めても、わずかな行動に対してしか効果は見られない。

しかもそのわずかな行動には、「人前での講演」などあまり一般的でない行動が含まれる。

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文=ベンジャミン・ハーディ/組織心理学者 訳=松丸さとみ/翻訳者・ライター

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