キャリア

2025.11.04 12:30

進化・多様化する副業、複数こなす「サイドスタッキング」が急増中 米国

Shutterstock.com

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Z世代は時代遅れの職場の慣習に代わる柔軟性とワークライフバランス戦略を生み出したと評価されている。その2つの例が「マイクロシフティング」と「サイドクエスト」だ。米国の労働人口の大半(71%)はZ世代に倣い、経済が厳しい中、副業ブームに乗っている。副業人気は「サイドスタッキング」という広まりつつある派生のトレンドを生み出した。

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サイドスタッキングとは

米ビジネス誌フォーチュンによると、ゴールドマン・サックスのエコノミストらは「雇用なき成長(少ない採用と解雇)」がニューノーマル(新常態)だと宣言している。

求人情報検索サイトのグラスドアの最新レポートでは、Z世代の57%が少なくとも1つの副業をしてこの好ましくない状況に対応していることが示されている。これは収入を補うためであり、年上の世代よりも多く見られる。この傾向は「サイドスタッキング」として知られる派生のトレンドである複数の副収入源につながっている。

履歴書作成プラットフォームResume.aiがTikTokで話題の動画を分析したところ、Z世代はサイドスタッキングを、本業と並行して複数の副業を抱え、往々にして本業の数倍稼ぐ新しい戦略としてとらえていることが明らかになった。Z世代は新たな戦略を取っているだけでなく、互いにアドバイスし合い、自由への道として起業を推進している。

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Z世代は複数の仕事を同時にこなして複数の収入源を作っているが、請求書を支払うための収入と時間を最適化するために仕事をかけ持ちしている。例えば、私の友人は本業の営業の仕事と2つの副業を持っている。また、暗号資産の売買もしており、さらに週末には消防士のボランティアをしている。

Resume.aiのキャリア専門家のアマンダ・オーガスティンは、多くの若いプロフェッショナルにとってサイドスタッキングは本質的に雇用保障の現代に即した形態だと説明する。「Z世代のプロフェッショナルは、1つの会社で出世の階段を上るのではなく、予測不可能な経済から身を守るために複数の収入源を築くことを選択している」

Z世代は1つの給料だけに頼らないことを学んだのだとオーガスティンは解説する。多くの若い労働者が30歳になる前に雇用凍結や大量解雇、記録的なインフレを経験し、その後、彼らは野心を再定義しているとオーガスティンは指摘する。時代遅れの会社の出世の階段ではなく、経済的なコントロールや創造的な自由、そして自分の思い通りにより安定感を得ようと自分のスキルと収入を多様化させている。

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翻訳=溝口慈子

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