Software Finderの最高マーケティング責任者(CMO)であるマリウム・ロディは、若い労働者がもはや1つの雇用主だけに依存することはできないという考えに同意する。投資を分散させるのと同じように、サイドスタッキングで仕事を分散させることができるとロディは主張し、「それはコントロールや柔軟性、経済的な危機を乗り越える力を得ることだ」と付け加えた。
だがロディは従来の副業とサイドスタッキングを区別しており、後者はより組織化されており、請負業務やコンサルティング、プラットフォームベースのギグワークなど、ソフトウェア主導の求人と関連していることが多いと説明する。
日常業務のアウトソーシングサービスAirtaskerの創業者でCEOのティム・ファングも、従業員が1つの副業や本業に頼るのではなく、収入を得るために副業を複数持つことを受け入れている。「人は1つの職種に縛られることを避けたいと考えており、賢い労働者は複数の機会を活用することで収入の変動をならし、さらに多くの機会を得ることができるという状況を我々は目の当たりにしている」とファングは説明する。
米ナショナル大学のワークフォース&コミュニティ教育担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのクリス・グラハムは、サイドスタッキングにはさまざまな側面があると言う。経済的な理由だけでなく、サイドスタッキングは創造的な活動やスキルアップを追求したいと考えている、やりがいのない仕事に就いている従業員のはけ口であることが多い。
また、本業を持ちながらスキルアップのために教育を受けたり、1つ目または2つ目の学位を取得するためにサイドスタッキングをする人もいるという。「働いたり、他の役割をこなしながら教育を受ける人たちは、好きなことを見つけるためにいつでもキャリアを転換させられることに気づきつつある」
サイドスタッキングは燃え尽きにつながるか
米政府の統計によると、890万人の米国人が複数の仕事をこなしている。より多くの収入を得たり、将来の不安定さから身を守ったりするために、本職に加えて複数の仕事も持つとバーンアウト(燃え尽き症候群)に陥るリスクがある。
ファングはサイドスタッキングを強く支持しているが、正しく行わなければならないと指摘する。「本業であろうと、さまざまな仕事を引き受けることであろうと、どのような仕事においてもバーンアウトには気をつけなければならない」とファングは注意を促す。そして、規律を守り、境界線と防護柵を確立することが重要だと付け加えた。例えば、休息や家族との時間を十分に確保するために自分の限度を把握し、あまりに頻繁に「イエス」と言わないようにすることが重要だという。


