「ロボットクリーチャー、つまりペットのような存在であり、同時に看護師のような役割を果たす存在を含め、さまざまなアプリケーションをこのプラットフォーム上で開発できるようにしたいんです」
このプラットフォームの中核にあるのは、センシング技術、記憶生成そして感情知性を持つ推論エンジンの統合だ。
環境を理解し、ユーザーとの相互作用の記憶を蓄積し、その人の好みや習慣に学習して最適化されたパーソナリティを発達させる。高度な制御タスクを遂行する能力と、心地良さや安心感を与えるキャラクター性の両立。それが、このプラットフォームが実現しようとしている本質だ。
あくまでもプラットフォームであるため、実際のハードウェアとしての形状は多様だ。
単体のロボット(ペット型や準ヒューマノイド型)として存在することもできるし、家中のデバイスを連携させるプラットフォームの中心として機能することもできる。
究極的には、家そのものがロボット化する。家全体が持つセンサーを駆使すれば、環境全体がユーザーの状況や好み、行動パターンを知るための媒介役にもなり、また快適性などを提供するための道具ともなり得る。
“感情知性をもつロボット”に囲まれた未来
このように話が進むと、ふたたびヒューマノイド(人型ロボット)へと注意が向かうものだが、“人型が最適なアプリケーションには当然ヒューマノイドを採用するが、多くのユースケースで人型は必須ではない”とアングルは釘をさす。
「重要なのは形状ではなく、提供される体験と支援の質なのだ。Roombaの円形デザインが証明したように、形状は目的から導き出されるべきもだ」
例えば高齢者が自立した生活を維持するには、食事管理、服薬の遵守、適度な運動そして社会的つながりの維持が不可欠だ。
しかし、これらを支援するのは簡単ではない。画一的なリマインダーでは効果が薄い。重要なのは、その人を深く理解し、思いやりある関わりを通じて、その人に合った方法で行動を促すことだ。
「高齢者支援ロボットは、高齢者と関係性を構築します。その人のルーティンを理解し、何がその人を幸せにするのかを学習します。食事の時間、服薬のタイミング、運動の提案。しかし、それは単なるアラームではありません。まるでペットが散歩に誘うように、その人の気分や状態に合わせて、最適な方法で背中を押すのです」
さらに、このロボットは孤立や孤独という、現代社会が抱える深刻な問題にも取り組む。社会的なつながりを促進し、家族や友人とのコミュニケーションを仲介する。これは単なる機能やタスクではない。しかし、その価値は計り知れないとアングルは強調する。


