ウクライナの戦場で続いてきた即席の装甲強化の最新版として、“鋼鉄のヤマアラシ”のようないで立ちの戦車が登場している。金属製の多数の棒や釘状のものを突き立てたり垂れ下げたりしたこの奇妙な「ドレッド装甲」は、ロシア軍で最初に確認され、いまではウクライナ軍でも模倣されている。これは実際に効果があるようだ。
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— Dan (@Danspiun) May 24, 2025
A closer view of the type of improvised ant-FPV spiked armour carried by the destroyed🇷🇺BMP-2M 'Berezhok' in tweet 29. h/t @moklasen
Its likely not the exact same BMP-2M as in the film which does not have 675-sb3KDZ side armour like the one in the pic. pic.twitter.com/jQomR5bO8w
「装甲車両、なかでも(大きな甲羅のような追加装甲を背負った)亀戦車をあざ笑い、ドローン(無人機)は装甲車両を時代遅れにした“ブンダーバフェ(奇跡の兵器)”だと思っている人たちは、装甲を十分に強化した戦車を撃破するのにFPV(一人称視点)ドローンがいったい何機必要になるか見てみてほしい」。OSINT(オープンソース・インテリジェンス)アナリストのJonpyはX(旧ツイッター)でそう提起し、ウクライナ軍がロシア軍の戦車をFPVドローン数機で繰り返し攻撃した末にようやく破壊する動画を共有している。
For those mocking armored vehicles and specially turtle tanks and thinking drones are a wunderwaffe that have rendered armor obsolete, take a look at the sheer amount of FPVs that are required to destroy a well uparmored tank. https://t.co/ZD6GenHdWH
— Jompy (@Jonpy99) October 17, 2025
だが、戦車が戦場の支配者として復活したと祝うにはまだ早い。
「FPVドローンは、適切な箇所を狙えばどんな装甲車両にも有効です」とウクライナ国家親衛隊のドローン部隊「タイフン(タイフーン)」の指揮官マイケルは筆者に述べた。「腕の立つ操縦士は必要です。ドローンを自在に操り、装甲車両の脆弱な箇所を見抜ける操縦士です」とも言い添えた。
つまり、巨大なヤマアラシのような装甲車両が相手であっても、操縦士がやり方を知っていればFPVドローンで阻止できるということだ。
戦車の進化:コープケージから亀戦車へ
ロシアが2022年2月にウクライナに対する全面侵攻を始めた当初、ロシア軍の戦車には「コープケージ」や「グリル」などと呼ばれるフレームが取り付けられていた。これらは概して効果が薄かった。レース用ドローンを改造してRPG(対戦車擲弾)弾頭を装着したウクライナ軍のFPVドローンは、膨大な数のロシア軍の装甲車両を撃破した。その際には、車内に貯蔵する弾薬の誘爆で派手な爆発を起こすことも多かった。



