食&酒

2025.11.12 12:45

ワインも新食材も 「発酵」が拓く食文化の未来

(c)中央葡萄酒

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「食を通じて、いのちを考える」を掲げる大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「EARTH MART」と Forbes JAPANが連動し、食の未来を輝かせる25人を選出した。生産者、料理人、起業家、研究者……。本誌 11月号では、豊かな未来をつくる多様なプレイヤーを紹介する。


変わりゆく環境でさらに磨かれる山梨ワイン

三澤彩奈|中央葡萄酒取締役・醸造責任者

courtesy of GRACE WINE
courtesy of GRACE WINE

温暖化による収穫期や味わいの変動、市場嗜好の多様化が、発酵食品であるワインづくりの前提を大きく揺るがすなかで、三澤彩奈は「守るためには変える勇気が必要」と言い切る。

フランスでワインづくりを学んだのち、2008年より中央葡萄酒の醸造責任者として、甲州ブドウの栽培と醸造を柔軟に調整し、品質と持続可能性を両立させてきた。成果が実ったのは14年。日本ワイン初のデキャンター金賞を受賞し、山梨の風土が国際舞台で認められる転機を生んだ。「ワインは時間と自然と風景が育てる」。山梨から世界に誇れるワイン文化を未来に残すため、畑と醸造所の双方で挑戦を続ける。

三澤彩奈◎ボルドー大学DUAD・ブルゴーニュ醸造技術者資格取得後、ステレンボッシュ大学院に留学。2008年より中央葡萄酒で醸造責任者を務め、14年に日本産ワイン初のデキャンター金賞受賞。高品質ワインと文化を発信。

人の手と技術を融合し、発酵文化を次世代に受け継ぐ

村井三左衛門|ビオック代表取締役社長、糀屋三左衛門第29代当主

courtesy of Bio'c
courtesy of Bio'c

「発酵はただの保存技術ではなく、地域や暮らしを支える文化」。糀屋三左衛門第29代当主として、長年、麹菌と向き合ってきた村井三左衛門は、研究子会社であるビオックの社長も務める。「国菌」とされる麹菌の技術を現代のテクノロジーと融合し、麹を使った新食材を開発。発酵文化を産業として再定義することで、人々の健康問題や地球規模の食糧問題の解決だけでなく、ガストロノミーの分野においても麹の活用の幅を広げる。

職人不足や後継者難のなか「人の関与が文化を育てる」と語る村井が目指すのは、自らが受け継ぎたいと思わせる、魅力ある産業をつくっていくことだ。

村井三左衛門◎慶應義塾大学卒業後、アメリカでMBA取得。2016年にビオック代表取締役社長、糀屋三左衛門当主に。22年京都芸術大学大学院修了。従来の種麹や発酵技術を磨きあげ、「発酵」を産業として再定義する。

文=青山鼓

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