北米

2025.10.28 11:00

トランプ、「過去最高の支持率と主張」するも実際のピークは1月

Takashi Aoyama/Getty Images

Takashi Aoyama/Getty Images

ドナルド・トランプ米大統領は米国時間10月27日朝、トゥルース・ソーシャルへの投稿で自身が「過去最高の支持率を得ている」と主張した。しかし、世論調査の集計サイトによると、実際には第2期政権発足の初期に支持率が大きく上昇したが、それ以降は大統領の支持率としては歴史的に低い水準にとどまっていることが分かった。

ニューヨーク・タイムズ、リアルクリア・ポーリング、シルバー・ブレティンなどの集計データによれば、トランプの第2期政権はその発足時には非常に高い支持率を記録していた。ニューヨーク・タイムズの集計では最大52%に達していたとされるが、その支持率は3月から4月にかけて低下して以降、その水準を完全に取り戻すことはなかった。

先日発表されたキニピアック大学の調査では、有権者のうちトランプの職務遂行を「支持する」と答えたのは40%で、「支持しない」と答えたのは54%だった。ただし、9月に発表された前回調査では支持率が38%まで落ち込んでいたため、そこからはわずかに回復したかたちだ。

ロイター/イプソスの調査でも、10月にトランプの支持率がやや改善したことが示されたものの、不支持率は56%と依然として高い。

シルバー・ブレティンが信頼度に基づいて複数の調査結果を加重平均したデータによれば、トランプの平均支持率は43.8%、平均不支持率は53.1%となっている。

ただし、トランプの支持率は第1期政権の同時期と比べると高い。ギャラップの独自調査によると、2017年10月から11月時点の支持率は35%だった。

ギャラップのデータによれば、第1期中のトランプの支持率は2020年前半に49%でピークを記録している。

多くの世論調査データは、トランプの平均支持率(第1期と第2期を合わせた値)が、1940年代に調査が始まって以来、米国大統領の中で最も低い水準であることを示している。

トランプはトゥルース・ソーシャルへの投稿の中で、自身の政権が「社会的・経済的な問題への対応」や「国際紛争における和平交渉・停戦交渉」という点で評価されていると主張した。しかし、最近の調査結果はこれを裏づけていない。キニピアック大学の調査によると、トランプの経済政策を支持する有権者は38%にとどまり、57%が「支持しない」と回答した。

一方で、イスラエルとハマス間の停戦合意に至る交渉に関しては、より前向きな評価が見られた。47%が「支持する」と答え、9月の31%から大幅に改善したが、依然として41%が「支持しない」としている。

また最近の調査では、トランプの第2期政権発足を支えた主要支持層からの評価を失いつつあることも示されている。24日に発表されたAP通信とNORCによる調査では、ヒスパニック系成人のうちトランプに好意的な印象を持つ人は25%にとどまり、第2期開始前の1月における44%から大きく低下していた。ヒスパニック層における職務支持率も、4月には42%まで上昇していたが、現在は27%に急落している。

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翻訳=江津拓哉

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