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2025.10.30 14:00

忙しい時ほど5分の小休憩が生産性を上げる 「サイドクエスト」を仕事に取り入れる6つの方法

Shutterstock.com

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職場における従業員の活力や創造性についての考え方に変化が起きており、柔軟性はもはや特典ではない。研究によると、職場で個人が取る小休止は生産性を低下させるどころか向上させるのだという。ワークライフバランスと「サイドクエスト」はこうした変化を表すものであり、基準の期待となっている。

サイドクエストとは

「Rise & Grind (真面目にコツコツ頑張る、の意)」という諺もあるように、仕事から離れることの重要性は多くの職場で軽視されてきた。そして多くの企業文化では、立ち止まる時間を惜しんで猛スピードで働いた方が大きな利益を得られるという時代遅れの信念が、いまだに息づいている。しかし科学では、自分を追い詰めることが成果につながるという信念は否定されている。

実際、科学は身を粉にして融通のきかない働き方をするのと逆の取り組みを推奨している。求人情報サイトFlexJobs(フレックスジョブズ)の調査によると、従業員の73%が柔軟な働き方を選択することで仕事の満足度が高まると答えている。さらに、市場調査会社Harris Poll(ハリス・ポール)の調べでは、米国の労働者の76%が働く場所や時間に関して永続的な柔軟性を求めていることがわかっている。サイドクエストが生産性と定着率を高めるにつれて、リモート勤務やハイブリッドワーク、調整可能な勤務モデルはスタンダードになりつつある。

サイドクエストとはお決まりの作業を中断させる、仕事の合間の楽しい活動のことで、従業員が充電し、創造性を維持し、自分を信頼してくれている雇用主に変わらず忠実でいるのに役立つ。サイドクエストという言葉はビデオゲームから借用したもので、あまり計画を立てずに行き当たりばったり的に行う気晴らしのような、必ずしも必要ではない小さな動きを指す。サイドクエストは勤務場所だけでなく一日の働き方にも柔軟性を求める傾向が強まっていることを反映しており、融通のきかない勤務体系に反発し、自主性を強めるものだ。

従業員の意欲アップを図るプラットフォーム、Rising Team(ライジング・チーム)の成長担当の責任者であるライアン・スタークスは、個人的に意義のあることをするためにサイドクエストを行うことが生産性の向上につながることに人々は気づき始めていると語る。その上、サイドクエストはやる気と定着率の最大の2要因である自律性と目的を従業員に与えることができる。米国の従業員は柔軟性のある職場に長くとどまっており、サイドクエストは働き方の自律性が今や定着に極めて効果的であることを示している。

サイドクエストの例としては、散歩、創造的な活動、趣味の実践、学習機会の模索など、主要な業務から少し離れることが挙げられる。こうした小休憩は、従業員の集中力のリセットやストレスの軽減、人間らしさの実感に役立つ。スクリーンから離れ、今この瞬間に偏見のない注意を払い、自然の中に身を置いてサイドクエストを行うなど、すでに一日のスケジュールに組み込まれている活動の間にマインドフルになることで、最小限の時間と労力でサイドクエストを実践できる。

研究によると、小休憩を取るという点で、従業員に自主性を与えることは企業に最善の利益をもたらす。というのも、従業員が活力を効果的に管理し、終日仕事に意欲的に取り組むのに役立つからだ。小休憩を取った後、従業員は勤務時間が終わるまで仕事に一層注力し、勤務終了時の疲労は少なくなる。

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翻訳=溝口慈子

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