2021年に黒字化を達成、インフルエンサー活用や配送コスト削減が貢献
2021年、Loopの売上は1300万ドルに達し、黒字化を達成した。インフルエンサーマーケティングを活用して事業を拡大すると同時に、梱包を郵便受けに入るほど小型化して配送コストを大幅に削減したことが功を奏した。翌年には、2人が長年通い続けたベルギーのEDMフェスティバル「トゥモローランド」と初の大型パートナー契約を結び、特注モデルを提供した。
「トゥモローランドが単なる取引先としてではなく、“この製品を使えばパーティーがもっと楽しくなる”と公式に発信してくれたのは、非常に強力なメッセージだった」とオは語る。2022年、Loopは騒がしい場所でも会話がしやすいよう設計された第3の製品を発売し、年間売上は4700万ドルに達した。翌年には、モードを自由に切り替えられる「Switch」を投入し、売上はほぼ3倍に拡大した。
市場ポジションが急成長の原動力、F1チームからも打診
オは、「Loopにとって、市場で築いたポジションこそが急成長の原動力となった」と言う。同社の売上の約半分を生むアマゾンでは、安価な模倣品が数多く出回っているが、成功しているものはほとんどない。夏の音楽フェス「コーチェラ」から砂漠をイメージした特別コレクションの制作依頼を受けた直後、それぞれが会社の40%を保有するオとボデウェスのもとには、複数のF1チームからパートナーシップの打診が相次いだという。
「マクラーレンを選んだのは偶然ではなく、明確な意図からだった」と、現チャンピオンチームとの提携についてオは語る。「たとえばランド・ノリスを見てほしい。彼もパーティー好きなタイプだから、彼がこの製品を身に着けるとすごく自然に見えるんだ」。
オムニチャネル戦略で大手量販店へ進出
追い風を受けた今、オとボデウェスはようやく大手量販店への進出への準備を整えた。「ブランドの規模がここまで大きくなった今、オムニチャネル戦略が再び意味を持つようになった」とオは述べている。
スワロフスキーとも協業、「サングラスの感覚で装着してもらうこと」が目標
Loopの最新コラボは、創業130周年を迎えたスワロフスキーとの共同企画だ。ステンレス製の「エクスペリエンス・ループ」に、サイズの異なるスワロフスキー・クリスタルを散りばめたモデルで、価格は120ドル。ボデウェスは「最終的な目標は、音が少しうるさいときにサングラスをかけるような感覚で、自然にLoopを着けてもらうことだ」と話す。
オとボデウェスは今も毎年トゥモローランドに足を運ぶものの、最近ではブースに立って販売を手伝うことが多いという。トゥモローランド×Loopの限定モデルは、オイルが虹色に光るようなブラックを基調としたカラーだ。もちろん、トゥモローランドにあるLoopはそれだけではない。2人が会場を見渡すと、そこには青、緑、シルバー、そしてゴールドなど、さまざまな色のLoopを耳に着けた人々の姿が広がっている。


