耳鳴りに悩んだ幼なじみ2人が、スタイリッシュなイヤープラグで起業
2016年にアントワープで創業したLoopは、コーチェラ、マクラーレン、スワロフスキーといったブランドと次々にコラボし、コピー品が出回るほどのベストセラーを送り出した。音楽フェスとバイクを愛する幼なじみのオとボデウェスは、20代後半で耳鳴りに悩まされるようになり、「手頃な価格で、かつスタイリッシュなイヤープラグが市場に存在しない」ことに気づいて会社を立ち上げた。
用途別の3タイプを用意、お洒落から「音量調節」へと軸足変更
Loopのイヤープラグは、洗練されたデザインのワイヤレスイヤホンのような見た目で、価格は24〜64ドル。また、「大音量のイベント用」「集中用」「静かな睡眠用」の3タイプがある。アップルのイヤホン「AirPods」が「外音取り込み」「適応モード」「ノイズキャンセリング」と機能を切り替えられるのと似た発想だ。
Loopはもともとコンサート愛好者の間で人気を得ていた。現在の成功の鍵は、英語圏でのマーケティングと、コロナ禍の時期にブランドの軸を「お洒落に耳を保護する」というものから、「音のボリュームのコントロールで自分らしい人生を送る」という方向性に変えたことにあるとオは語る。
D2Cから米国600店舗のターゲットへ進出、コーチェラやマクラーレンとも提携し成功
同社はこれまでほぼすべての製品を自社サイト経由で販売してきたが、今月から米国600店舗のターゲットで販売を開始した。実店舗への進出は、長年にわたるオンライン戦略の成果でもある。Loopは2025年の広告費として、前年の売上の約35%にあたる8000万ドル超を投じる計画だ。同社は、大胆なマーケティング投資を行いながらも、製造や配送コストを抑えることで黒字を維持している。
Loopは、オンライン広告においては、騒音に敏感な通勤者から眠りの浅い人まで、多様な層をターゲットにしている。またオとボデウェスは、フランス語とオランダ語の話者として育ったものの、同社は広告でこれらの言語を用いておらず、英語圏の市場に集中する戦略で成功を収めている。Loopは今年、カリフォルニアの音楽フェス「コーチェラ」からの依頼を受け、特注イヤープラグを製作した。マクラーレンのF1ドライバー、ランド・ノリスを起用した広告キャンペーンも展開している。
同社の売上でベルギー市場が占める割合は2%未満で、米国に次ぐ主要市場は英国、カナダ、オーストラリアの順番だ。
ボデウェスは、「私たちはこれまでに2000万ペア(4000万個)のLoopを販売した。創業当初はいつも『ベルギーの人口の何%に届いたか』を意識していたが、ベルギーの人口は1100万人だから、そろそろ別の基準で自分たちを測る時期だかもしれない」と述べている。


