経済・社会

2025.10.28 09:45

インパクトスタートアップ協会、目指す「1000の『社会課題解決と経済性の両立』」

インパクトスタートアップ協会代表理事と理事一同。代表理事・米良はるか(写真中央)同・星直人(写真中央右)

「インパクトスタートアップ」という言葉がなくなる世界

米良:今後のロードマップとしては、正会員企業1000社を長期的なKPI(重要業績評価指数)として掲げています。現在、新たな正会員を募集中ですが、実際に1000社が参画するか否かというよりは、さまざまな複雑な社会課題に対して、1000のソリューションが存在し、社会課題解決と経済性の両立が社会に受け入れられている状態にあるということを目標としています。

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もちろんそこにはさまざまな壁があると思います。まず高く跳ぶという意味で、大成功するインパクトスタートアップが数多く出てきて、成功の知恵を次世代に共有して、成功の可能性をひとつでも多くの企業に向けて伝えていくというのがすごく大切だと思います。24年12月以降、正会員企業3社(ユカリア、ミライロ、TENTIAL)がIPOし、合計6社の上場企業(アストロスケールホールディングス、ベースフード、雨風太陽)がいますから、上場後の経営も含めて、後に続くスタートアップにとってものすごく重要なノウハウになると思います。

また、ディープテック企業など官民連携や制度化が重要な領域の成功事例も多く、政策提言も含めた成功事例に触れることはとても刺激的だと思います。

一方で、社会課題自体は多様で複雑であり、必ずしも経済性、例えば時価総額の高さだけで優劣をつけることでもありません。社会課題に対して、小さくてもサステナブルにソリューションを提供し続けることが、世の中に認められることもすごく大切。多様なインパクトスタートアップが存在するためのエコシステムがどのようにあるべきなのか、幅広さというところをいかに実現するかも含めて考えていければと思っています。

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ISAでは経営者合宿も実施しており、かつ、ギブの精神で参加している起業家も多く、多様な学び合いができる包摂性の高さを今後も生かしながら、進化していければと考えています。だからこそ、地方のインパクトスタートアップの起業家のみなさまやアーリーステージの起業家のみなさまにも会員になってもらえればと思っています。

:短中期、中長期と分けてお話できればと思いますが、短中期でいうと米良さんのいうところの具体的な事例創出についてです。多種多様な手触り感のあるスタートアップがどのような社会的なインパクトと経済性の両立を目指しているのか、具体的なイメージをベースに共有できることがすごく大事だと思います。社会性と経済性の両立を目指すというコンセプト自体に反対される方はそんなに多くない。だからこそ、具体の解像度を上げていくフェーズにきていると思っています。机上の話から事例ベースにさまざまな議論を進められるようにしていきたいと思っています。

中長期では、正会員企業1000社というKPIを達成し、最終的にはインパクトスタートアップという言葉自体がなくなるくらい、みんなが自然に社会性と経済性を両立させることを目指している世界になるのが理想です。その時は、協会の名前が変わるのか、あるいは役割を終えるのかはわかりませんが、それが実現できた社会はものすごく素敵な社会になると思います。高い目標だと言われるかもしれませんが、志を持って追い求めていきたいと考えています。今、年に一度の正会員と賛同会員募集を行っているので、もしご興味があればお気軽にお問合せいただけると嬉しいです。

文=山本智之

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