食&酒

2025.11.09 11:30

海藻を量産、ウニを養殖。日本の海を変える挑戦者たち

うに再生養殖の現場(c)Kita-Sanriku Factory

ウニ再生養殖のパイオニアが目指す「水産業の刷新」

下苧坪之典|北三陸ファクトリー 代表取締役CEO

courtesy of Kita-Sanriku Factory
courtesy of Kita-Sanriku Factory

「海のギャング」と呼ばれるウニは、海藻を食べ尽くし、海を砂漠化する磯焼けの原因となる厄介者。大抵は身入りが悪く商品価値もない。そのウニを約2カ月で高級食材に変え、藻場を保全して海の環境を再生するのが北三陸ファクトリーの下苧坪之典だ。同社が北海道大学らと8年の研究を経て確立した「ウニバースシステム」は、世界で唯一、ウニ専用の餌、ウニが食べないカゴ、割らずに身入りを測る非破壊技術など複数の特許を有し、不可能とされた養殖を実現した。 

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活動は世界にも及ぶ。豪州で同社の技術を用いて育てたウニを、香港やシンガポールなどへ輸出。またウニの殻を融雪剤に利用するなど、廃棄ゼロのサーキュラーエコノミーの実現も目指す。

下苧坪は、曽祖父が水産業で一時代を築き、父の時代に倒産する経験をした。「天然依存の漁業から安定して稼げる養殖へ移行しなければ未来はない。海の環境を守りながらしっかり稼ぐ姿を見せ、水産業を憧れの職業にしたい」。IPOを許を有し、不可能とされた養殖を実現した。視野に1.4兆円規模の世界市場を狙う。

下苧坪之典◎1980年、岩手県洋野町生まれ。2018年に北三陸ファクトリーを設立。世界の海を豊かにするため、ウニ再生養殖という革新的技術で、磯焼けウニを高品質化。海洋環境再生とサステナブルな食を両立し、日本発のウニ産業をグローバルに展開。次世代へ豊かな海の恵みを継承する。

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文=国府田淳

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