起業家

2025.11.07 12:30

AI農業に茶の再編集、大地の力で食の未来を変える4人の起業家

(c)タネト

放牧酪農による垂直統合モデルを世界へ提示

長沼真太郎|北海道コンフェクトグループ代表取締役

courtesy of Hokkaido Confect Group
courtesy of Hokkaido Confect Group

長沼真太郎率いる北海道コンフェクトグループでは、2020年から、放牧酪農や平飼い養鶏などを手がけ、そこで採れた牛乳や卵を融合、農業部門への投資を続け、使った菓子を製造・販売。さらに、菓子づくりで出る廃棄物を飼料に循環させる仕組みを確立するなど、放牧酪農による「垂直統合」型のビジネスモデルに挑戦している。

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必需品でない菓子だからこそ、「おいしさ」と「本物」にこだわり、スタンフォード大学の農業研究を融合、農業部門への投資を続け、日本の食品産業に革新的なモデルを提示。「きのとや」「SNOWS」「札幌農学校」といった複数のブランドを展開し、地域から世界へ、持続可能な食の未来を描きだす。

長沼真太郎◎商社勤務などを経て、2013年BAKE創業。のちシリコンバレーで環境再生型農業と出会い20年に出身地・北海道でユートピアアグリカルチャーを設立。M&A戦略も推進し農業×製造×小売りの三位一体モデルを構築。

種を守り、日本を「世界の料理人が目指す場所」に

奥津 爾|タネト店主

courtesy of Organic Base
courtesy of Organic Base

「このまま異常気象が続くと、小規模の有機農業者の継続が困難になる」と警鐘を鳴らすのはタネト店主の奥津 爾。有事に輸入が止まれば、日本農業は壊滅に追い込まれるという危機感が原動力だ。2013年から自家採種による在来品種の保存と有機農業を基盤に活動を始め、19年から長崎県雲仙市で在来品種を軸としたオーガニックの直売所「タネト」を運営する。

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「種を守ることは文化を守ること。種の多様性が失われれば、食の選択肢も未来も細る」と語る奥津は、世界の料理人が目指す食文化の国として日本を位置付けるべく、種をテーマにさまざまな角度から活動を続ける。

奥津 爾◎2003年オーガニックベース設立。13年長崎・雲仙に移住。19年在来種の自家採種や有機農業を軸とした直売所タネト開業。「種と旅と」「種を蒔くデザイン展」など種をテーマにした企画や教育にも取り組む。

文=青山鼓

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