一方、10月の北米興行市場全体は低迷しており、今月これまでの累計興行収入はわずか3億3200万ドル(約508億円)にとどまっている。これは月間としては最も悪い数字のひとつだ。今月これまでに最も高い興行収入を稼いだ作品は『トロン:アレス』だが、その北米オープニング興行収入は3320万ドル(約51億円)、世界全体でも1億800万ドル(約165億円)にとどまり、推定製作費の1億8000万ドル(約275億円)を下回る結果となっている。今年これまでの最低月は3月で、その月の興行収入は約3億9700万ドル(約607億円)だった。
『チェンソーマン』はこの週末、米国で制作された2本の大型新作と競合した。1本はブルース・スプリングスティーンの伝記映画、もう1本はベストセラー作家コリーン・フーヴァーの小説を原作とする『Regretting You(原題)』である。同作品にはアリソン・ウィリアムズ、マッケンナ・グレイス、デイヴ・フランコらが出演し、その興行収入は約1300万ドル(約19億9000万円)だった。これは前週公開のホラー映画『ブラック・フォン2』とほぼ同等の水準だ。
スプリングスティーンの伝記映画である『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』は、ジェレミー・アレン・ホワイトとジェレミー・ストロングが主演し、オープニング週末の興行収入は約910万ドル(約13億9000万円)にとどまった。製作費は5500万ドル(約84億円)と報じられており、今後の興行で回収が必要だ。ただし、観客の反応は良好で、Rotten Tomatoesの観客スコアは85%、シネマ・スコアではB+評価を得ている。スプリングスティーンの熱心なファン層にはしっかりと届いているようだ。


