他国も注目するフランスの動き
フランスの動きは既に波紋を広げている。ファストファッションの環境への影響に悩む他国にとって、フランスの政策は青写真となる可能性がある。
米国ではニューヨーク州で、ファッション持続可能性・社会的説明責任法案が提出された。この法案は、州内で販売する大手ファッションブランドにサプライチェーンの開示と環境目標を義務付けるものだ。同法案は完璧とは程遠いが、企業が自発的に変えられない、あるいは変えようとしない部分を立法化する意思の高まりを示している。
世界的な影響力のあるファッション産業を抱えるフランスでさえこうした措置を導入できるなら、他国に言い訳の余地などあるだろうか?
ファッション業界の未来
企業にとってこれは明確な信号だ。安価な商品が使い捨てられる無限成長の時代は終わりを迎えつつある。今こそ追跡可能なサプライチェーンや循環型の事業形態、そして耐久性を考慮したデザインに投資する時だ。
投資家にとっても警告がある。ESGリスクは炭素排出量や廃棄物だけではない。規制リスクも現実味を帯びている。適応と順守に失敗した企業は、主要市場から締め出されたり、手頃な価格で売れない滞留在庫を抱え込んだりする可能性がある。
消費者にとって変化はあるのだろうか? 変化は訪れるが、ゆっくりとしたものだ。価格は上昇し、選択肢が狭まるかもしれない。常に新しい服がわずか数日で届けられるという幻想も消え去るかもしれない。こうしたことは必ずしも悪いことではないが、適応が必要となる。
最初の一歩であって最後の一歩ではない
フランスの法案はファッション業界の問題を一夜で解決するものではない。ファストファッションを完全に禁止するものでもない。シーインやテムを消滅させることもない。
重要なのは、速いペースで使い捨てにされるファッションの代償を明確に示す点だ。同様に解決困難な領域であるマーケティングキャンペーンや曖昧なグリーンウォッシュの約束に問題を委ねるのではなく、同法案は政策を真の変化の手段として提示している。
持続可能なファッション業界の構築に真剣に取り組むのであれば、これはほんの始まりに過ぎない。他国も追随すべきだ。そして、議論は外国の新興企業を非難するだけで終わるわけにはいかない。あらゆる場所で業界を支えている過剰生産と過剰消費のモデル全体に立ち向かう必要がある。
ファッション業界が避けようとし続けている真実があるとすれば、それは真の変化には安くない代償が伴うということだ。だが、何もしないことの代償はそれ以上に高くつく。


