10月、ビットコイン価格は激しく乱高下した。「フラッシュクラッシュ(瞬間的な暴落)」から急反発し、安値から約10%上昇して11万1000ドル(約1700万円。1ドル=152円換算)を突破したのだ。これは、バイナンス創業者のチャンポン・ジャオがビットコイン価格に関する大胆な主張を発表した直後のことである。
今、ウォール街の大手企業は、米連邦準備制度理事会(FRB)による「量的引き締めの終了」に備えている。これが資金供給の波を引き起こし、ビットコイン価格を100万ドル(約1億5000万円)へと押し上げる可能性があると見る向きもある。
「来年から、少なくとも米国では資金供給が加速するのを目にするだろう」。暗号資産ニュースサイトのミルク・ロードとのインタビューで、アーサー・ヘイズはそう語った。ヘイズは、暗号資産デリバティブの草分けであるビットメックスの共同創業者で、現在は投資会社メイルストロムを率いている。
また彼は、10月初めに行われたジェローム・パウエルFRB議長による講演を引き合いに出した。「量的引き締めは終わりだ。彼らは住宅ローン市場に数兆ドル(数百兆円)規模の資金を放出するだろう。金利は下がり、資産価値が上昇するのに絶好の環境になる」と述べた。
2022年に始まったFRBの量的引き締めプログラムは、FRBのバランスシートをピーク時の約9兆ドル(約1368兆円)から6兆6000億ドル(約1003兆円)へと縮小させた。この取り組みは、FRBが市場から流動性を吸収しようとする中で、ビットコインなどのリスク資産に圧力をかけてきた。
「我々の長期的な計画は、準備金が十分であると判断できる水準をやや上回るところで、バランスシートの縮小を停止することだ」とパウエルは講演で述べ、さらに追加の利下げにも含みを持たせた。



