ロシア軍は無人機でザポリッジャとチョルノブイリの両原子力発電所への攻撃を継続することで核の火遊びをしている。他方で、プーチン大統領はウクライナ軍を支援するNATO加盟国に対し、核兵器の使用をちらつかせている。
国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は2月14日、ロシア軍の無人機攻撃により、1986年のチョルノブイリ事故で破壊された原子炉の残骸を封じ込める建物で火災が発生したと報告した。同事務局長は、無人機攻撃は世界最悪の原子力事故を引き起こしたチョルノブイリの原子炉上に設置された最新鋭の防護壁を貫通したが、新たな放射線の放出は確認されていないと説明。死傷者の報告はなかったが、「IAEAは警戒態勢を維持している」と述べた。
米紙ニューヨークタイムズによれば、二重構造のこの防護壁は、ウクライナと欧州を放射線の拡散から守るために各国が資金を拠出し、16億ドル(約2400億円)以上を投じて建設された。この防護壁は意図的に標的にされたものとみられ、恐らくロシア軍は将来、同施設に対する攻撃を強める計画を立てていると考えられる。
グロッシ事務局長は7月、ウクライナのザポリッジャ原子力発電所に駐留するIAEAの職員が、夜中に数百発の小型武器の銃声を聞いたと述べた。この銃撃戦は、無人機攻撃が激化し、ウクライナの原子力発電所にも影響を与えている中で発生したと同事務局長は報告した。
先述のベネット博士は、ロシアの国境拡大を目指すプーチン大統領の野望がウクライナにとどまらず、新たな世界大戦を引き起こす可能性があると語る。「プーチン大統領は失われた栄光を取り戻すことに固執している。これは同大統領の人生をかけた仕事であり、個人的な聖戦だ。プーチン大統領がロシアの指導者に就任して以降、同国は西側諸国との対決に向けた準備を進めてきた」
ベネット博士が予測する、山火事のように欧州全土に燃え広がる戦争は、6月のNATO首脳会合に先立ち、同機構のマルク・ルッテ事務総長も警告していた。「NATO内で大きな懸念がある。数週間前、ドイツの国防長官をはじめとする多くの軍高官や情報機関の高官らが、3年、5年、7年後にはロシアがわれわれを攻撃できる能力を備えるだろうと話していた」
ロシアが西側諸国との対決を見据えて秒読み段階に入る中、ベネット博士は、恐らく同国は既に勝利のための総力作戦を練り上げているだろうと推測する。ロシア軍によるウクライナの原子力発電所への攻撃は、単なる前哨戦に過ぎない可能性がある。さまざまな攻撃を試すことで、将来的にNATO加盟国にある原子力発電所を破壊するための布石を打っているのだ。ロシアは英国とフランスの原子力発電所に対する先制ミサイル攻撃を計画しているのではないだろうか? そうなれば、欧州の住民が放射線で汚染されることになるのだろうか?


