映画

2025.10.29 12:00

映画『スター・ウォーズ』シリーズ、最も高い利益を上げた作品は?

Photo by Alberto E. Rodriguez/Getty Images for Disney

ROIが最高だったのは、制作費が最少の『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』

2012年にディズニーがスター・ウォーズを手がけたルーカスフィルムを40億ドル(約6100億円)で買収して以来、スター・ウォーズのシリーズは5本制作されたが、制作費が最少の作品が最もROIが高かった。これは、2016年のスピンオフ作品『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』で、制作費は3億2750万ドル(約500億円)、ROIはなんと95.4%だった。

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一方、2019年の『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のROIは9.9%にとどまり、制作費は5億9370万ドル(約900億円)に上ったことは筆者が最近報じた通りだ。

この制作費はディズニーのスター・ウォーズのシリーズの中では、新たな3部作の1作目である2015年の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に次いで2番目に高額だった。『フォースの覚醒』では同作品で一躍スターになったデイジー・リドリーとジョン・ボイエガ、そしてマーク・ハミルやハリソン・フォード、30年以上前に主役を務めた故キャリー・フィッシャーらが出演した。

約970億円の制作費でも、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は最も収益性の高い作品の1つ

6億3890万ドル(970億円)の制作費をかけた『フォースの覚醒』は、ディズニーにとって最も費用のかかったスター・ウォーズ映画であり、史上最も高い制作費の映画の1つだ。驚くべきことに、この作品は最も収益性の高い作品の1つでもある。これは大変な偉業だ。

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映画の制作費が1000万ドルで、興行収入が5000万ドルに達すればスタジオは2500万ドルを手にし、利益は1500万ドルとなる。だが制作費6億ドルの映画であれば、同じ1500万ドルの利益を上げるためには、なんと12億3000万ドルの興行収入を上げなければならない。従って、制作費が高ければ高いほど利益の壁も高くなるのだが、『フォースの覚醒』は見事にそれをクリアした。

約760億円の利益を生み、他の全作品を上回る

10年ぶりのスター・ウォーズ作品とあって関心の高さも手伝い、興行収入は20億7000万ドル(約3160億円)と驚異的で、ディズニーの取り分は10億3500万ドル(約1580億円)に達した。また、スタジオは1億340万ドル(約160億円)の払い戻しを受け、この映画の純支出は5億3550万ドル(約820億円)になった。その結果、ディズニーは5億ドル(約760億円)の利益を手にし、他のスター・ウォーズ映画の利益を余裕で上回った。

2026年公開の映画『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』に期待

対照的に、『スカイウォーカーの夜明け』の興行収入はわずか4830万ドル(約70億円)で、1億330万ドル(約160億円)の赤字を出した2018年の『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』に次ぐ低調ぶりだった。同シリーズの新作が過去6年なかったのは納得だが、2026年に『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』で復活する予定だ。この作品は、大ヒットしたディズニーのストリーミングシリーズ『マンダロリアン』をベースにしており、スター・ウォーズへの関心が高まることで興行的に再びハッピーエンドになることをスタジオは期待している。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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