サイエンス

2025.10.26 18:00

悪魔のようなヤモリなど、奇妙な「生物種の名前」トップ10

サタニック・リーフテイルド・ゲッコー(Shutterstock.com)

8. タッセルド・ウォビゴン(学名:Eucrossorhinus dasypogon、和名はアラフラオオセ)

タッセルド・ウォビゴン(Tasselled Wobbegong)は、インド太平洋の海底に生息する底生性のサメで、口の周りにある皮弁(皮膚の突出物)がタッセル(房飾り)に似ているとされている。このタッセル風の皮弁が、サンゴ礁や海底の生息環境に溶け込むのに役立っている。

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「ウォビゴン」はもともとオーストラリア先住民の言葉で、簡単に訳せば「もじゃもじゃのひげ」。この皮弁は、進化上の変わった特徴が常にそうであるように、飾りとしてついているわけではない。擬態に欠かせないもので、獲物をおびき寄せる疑似餌にもなる。滑稽な響きだが、生物学的に見ても忠実で正確な名前だ。

9. ラズベリー・クレイジー・アント(学名:Nylanderia fulva)

ラズベリー・クレイジー・アント(Raspberry Crazy Ant)は外来種で、予測不能で迷走するような動きをすることからその名がついた。ただし、「ラズベリー」は果物とはいっさい関係がなく、2002年に米国でこのアリを初めて発見したテキサス州の駆除業者トム・ラズベリーに由来する。

このアリは南米原産だが、いまでは米国南部に広く生息しており、在来種を駆逐したり、電気設備を壊したりと、生態学的に深刻な脅威となった。その不規則な動きは奇妙なだけではなく、捕食者が予測しにくいよう進化した採餌戦略でもある。

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10. ブービー(カツオドリ族、学名:Sula)

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ブービー(Booby)は、水かきのある大きな足をした海鳥で、特にブルー・フッテッド・ブービー(アオアシカツオドリ)が有名だ。

名前の由来は、「愚か」や「ばか」を意味するスペイン語「bobo(ボーボ)」。18世紀、スペイン航海者たちが、この鳥の生息地に寄港した際に、人間を恐れず簡単に捕まってしまう鳥だと考えたことで、この名前がついた。

その愚かに見える行動は実のところ、エネルギーを節約するためであり、捕食者がほとんどいない孤島で生き延びるための賢い進化戦略だった。愚かなのは人間の方だったのだ。

以上紹介してきた動物種の名前は、笑いを誘ったり、思わず2度見したり、好奇心をかき立てられたりするものだ。しかし、意図的ではないにせよ、どの名前にも、形態や行動、進化過程の一面が反映されている。文化的背景の名残がそのまま名前になった動物もいれば、分類学の創造的側面が感じられる名前の動物もいる。長時間のフィールドワークで寝不足の科学者がつけた名前まである。

さらに多くの種が発見されていき、分類学者たちが、地球の生物学的な多様性を分類するという極めて重要な作業を続けるなかで、1つだけ明らかなことがある。名前は時に滑稽に聞こえるかもしれないが、その背景にある科学は、決して馬鹿げてはいないということだ。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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