働き方

2025.11.06 10:15

「自分がやったほうが早い」と仕事を抱え込む人は、 職場の効率を下げる大罪人

Getty Images

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業務改善コンサルタントとして20年以上のキャリアを持つ上妻周太郎さんは、既存業務の見直しポイントのひとつとして、「回ってきた仕事をいつも抱え込んでしまい、結局パンクして、チーム全体の業務を遅らせてしまう人」の存在を指摘します。

上妻さんの近著『やめたいのにやめられない!「仕事のムダ」の削り方』(すばる舎)から、一部を引用・再編集してご紹介します。


「忙しすぎる人」の宿命であり、悪癖(原因)でもある

仕事で「目が回るほど忙しい」と訴えている人には、誰かにお願いする時間すらもったいなくて、「自分がやったほうが早い」と考えがちである、という共通点があります。 

そうやって、自分の仕事を自分でどんどん増やしてしまう行為は、「忙しすぎる人」の宿命であり、そして悪癖でもあります。

「自分でやったほうが早い案件」がたまってしまっている場合、私たちはどうすればいいのでしょうか? 

ベストは、案件がたまってしまう前に、作業の依頼者と納期の調整をすることです。

頼んできた相手に「そのお話は多分、私が対応するのが一番早いとは思うのですが、何ぶん、ほかにも抱えている案件がかなりありまして、取り掛かりそのものが遅くなってしまうかもしれません」と、本当のことを洗いざらいゲロってしまいましょう。

だいたいは、それで相手もこちらの事情を把握し、納期の調整に応じてくれます。

ただ、「それでは、こちらの締め切りに間に合わない!」「社長からの指示だ!」などと、強引に優先作業を迫ってくる人もときどきいます。

そんな場合には、「すみません。では、ひとまず上司と相談させてください」で逃げましょう。

そのうえで、少し時間を空けてから、「上司からは別の案件を優先しろと言われちゃいまして……」などと先方に返します。

相手の依頼を断る責任は上司に回しつつ、自分は対応してあげたかったんだけど、ごめんなさい、というニュアンスを醸し出せる、ある意味で“ずるい”応じ方です。

ちなみに、このときに本当に上司と相談するかどうかは、ケースバイケースで判断してください。

たいていは実際に相談する必要すらなく、あなたの判断で断ってしまっても大丈夫です。

何かを断るときの口実に名前を使われるのは、上司にとっては「よくあること」なので、それで怒る上司は少数派です。

ただし、重要そうな案件であれば、上司にも相談があった事実を報告しておいたほうがいいでしょう。

その場合は実際に相談するか、少なくとも事後報告くらいはしておくようにします。

そうしておけば、断った相手があとからあなたの上司に突き上げてきたときなどにも、そつなく対応できるでしょう。

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文=上妻周太郎/業務改善コンサルタント

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