欧州

2025.10.25 10:00

トランプの終戦努力をウクライナ人はどう見ているのか 期待と疑念

米アラスカ州アンカレジのエルメンドルフ・リチャードソン統合基地で2025年8月15日、ロシアのプーチン大統領(左)を出迎えたトランプ米大統領(Contributor/Getty Images)

アメとムチ

プーチンに対するトランプの姿勢は、いつもはトランプを支持している人々の一部も困惑させている。WSJの編集委員会は社説で、トランプが「アメ」ではなく「ムチ」によって相手を交渉の場に引きずり出した例としてイランとガザのイスラム組織ハマスを引き合いに出し、大統領は「敵対勢力に対して最大限の圧力をかけ、それが功を奏した」と評価した。一方、「謎なのは、なぜ彼がこれほど長い間、同じ力をプーチン氏に対して示すことを拒んでいるのかという点だ」と疑問を呈した。

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トランプは以前、トマホーク巡航ミサイルを近くウクライナに供与する可能性をちらつかせていた。しかし、ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領との首都ワシントンでの会談前日には、一転あいまいな態度を見せた。ウクライナメディアのキーウ・インディペンデントによると、トランプは16日、「われわれもアメリカ合衆国のためにトマホークを必要としている。たくさん持っているが、それでも必要だ。どうすればいいのかわからない」と語った。

同じ日、ゼレンスキーはX(旧ツイッター)への投稿にこう記している。「プーチンがハマスやほかのどんなテロリストよりも勇敢だなどということはあり得ません。力と正義の言葉は、ロシアに対しても必ず効果を発揮するでしょう。トマホークの話を聞きつけるや、モスクワ(ロシア政府)は急いで(米国との)対話を再開しようとしています」

交錯する期待と疑念

トランプによる和平の取り組みに対して、ウクライナ人の多くは希望を感じると同時に疑念も抱いている。「トランプには、実際に何らかの影響力を発揮してくれること願うよ。ニュースで読むような、まるで狂人か子どものような真似をするんじゃなくて」。ウクライナ領土防衛隊第98独立領土防衛大隊の中隊長で、コールサイン「パスポート」で知られるディマは筆者のインタビューでそう語った。「彼は指を鳴らすだけですべてを解決しようとしたわけだけど、うまくいかなかった。それでいまは『自分たちで何とかしろ』と言っている。彼はやる気になってインタビューに応じたかと思えば、次の瞬間にはすっかり興味を失っている」

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おぼろげながら可能性を見いだす人もいる。ウクライナ陸軍第23独立機械化旅団のドローン操縦士セルヒー・ムヒンは「イスラエルとガザの合意は、世界全体の平和に向けた大きな突破口です。すべての戦争は最終的に交渉を通じて終わると示したのです」と述べ、こう続けた。「イスラエル・ガザ問題から少し手が離れたトランプが、われわれの状況の解決に集中してくれることを心から期待しています」

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翻訳・編集=江戸伸禎

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