(2)必要なときにだけ機能する「実用的なメモリー」
「Atlasは過去のチャットや閲覧履歴を呼び出し、後でページや作業を再提示できる。メモリーや学習への利用を無効化する明確なトグルもある」とウルフは説明する。意図に沿ったメモリーとして機能するというわけだ。
たとえば先週、競合調査をしたとする。Atlasはそれを覚えている。今日その調査について尋ねれば、当時訪れたページに加え、なぜそれを調べていたのかという文脈まで引き出す。いつでもオフにでき、特定のセッションを非公開に保つことも可能だ。何を記憶し、何を忘れるかをコントロールできる。
(3)「エージェントモード」が、あなたが戦略に集中している間に作業を処理する
ウルフによれば、「現時点では有料のPlus/Proプラン限定だが、Atlasはログイン済みのタブ内でブラウズ、クリック、入力、作業処理ができる。ガードレールがあり、購入手続きの前には手動での引き継ぎが必要だ」という。これは日々の業務プロセスを一変させる。
たとえば「AIの生産性について執筆しているポッドキャストのゲスト候補を3人見つけて」と指示する。するとAtlasは検索し、結果を評価し、リストをまとめる。その間、あなたはより大きな課題に集中できる。購入の確定にはあなたの承認が必要だが、時間を奪う調査や準備はAtlasが担う。
(4)ゼロからやり直す「移行の痛み」を軽減
「AtlasはChromeのブックマーク、履歴、パスワードをインポートでき、拡張機能にも対応する。つまり他のブラウザーから乗り換える際に、イチから始める必要がない」とウルフは述べる。現在の環境をそのまま持ち込めるわけだ。
ワークフローはそのまま維持できる。お気に入りの拡張機能も使える。パスワードも移行できる。Chromeにはなかった要素を加えつつ、既存の資産は保持する。移行は数分で完了する。
(5)Windowsとモバイルユーザーは「順番待ち」
ウルフは、Atlasが「Macでは無料で今すぐダウンロードできるが、Windowsとモバイル向けは『近日公開』」だと指摘する。まずはMacユーザーが先行アクセスを得る。その他は待つことになる。
新ソフトのリリースではよくある流れだが、これはWindowsユーザー、そしてモバイルユーザーに忍耐が必要であることを意味する。オンラインでの仕事のやり方を変えうるブラウザーが、多くの人が仕事をしている環境ではまだ利用できない、という状況が当面続く。
OpenAIの「Atlas」が、あなたの仕事にとって意味すること
あなたは、オンライン上の情報とやり取りする新しい方法を手にした。あらゆる検索が対話になる。あらゆる記事が、より深い探究の出発点になる。これまで複数のツールを必要としていた作業が、ひとつの場所で完結する。
現在のワークフローを思い浮かべてほしい。いくつのタブを開いているだろうか。ChatGPTと他サイトの間を何度行き来しているだろうか。先週の調査の所在をどれだけの頻度で見失っているだろうか。Atlasは、問題だと気づかないほど当たり前になっていた事柄を解決するかもしれない。
適切なAIツールの導入が速い企業が、業界を席巻する。Atlasは次の進化段階を示す。今すぐ試し、可能性を見極めるべきだ。


