サイエンス

2025.10.25 18:00

ペットとして人気の「ヘビ」4種 15年以上になる飼育のアドバイス

ボールニシキヘビ(Shutterstock.com)

生物学的な特徴に関しては、ボア・コンストリクターには、興味深いトレードオフ要因が存在する。この種のヘビは、大型で筋肉質なため、消費エネルギーや住処に関して要求水準が高い。

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穏やかな気質で、人の手で扱われることも受け入れるタイプが多いが、個体によって、その気質は大きく異なる場合がある。また、元気で長生きさせるためには、気温や湿度に変化をつけ(例:飼育ケース内に温度の高い「ホットスポット」を作る必要がある)、飼育ケース内の環境エンリッチメントを心がけることが必要になる。

爬虫類学者の視点から言わせてもらえれば、ボア・コンストリクターは初心者向けのヘビではない。より広い飼育スペースが必要だし、逃亡を防ぐために頑丈な飼育施設を用意する必要がある。また、健康状態を入念に確認すべきであり、適切な栄養を与えるよう気を配らなければならない。

4. キングヘビ属(学名:Lampropeltis)の仲間 

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キングヘビ属(Shutterstock.com)

「キングスネーク」と呼ばれるこのグループには、複数の種とモルフが含まれる。印象的な縞模様や色合い、中程度の大きさ、自然環境下での興味深い行動(他のヘビをエサにすることがある)などから、人気の高いヘビだ。

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爬虫類学の見地から見るとこのグループは、種の豊富さ、色のバリエーション、異なる環境への適応性に関して目を見張るものがある。キングヘビ属の仲間は、大きさや気質、適した居住環境などにかなりの違いがあり、樹上生活を送るものや、特に警戒心の強いものなどがある。

一部の飼い主のあいだでは、キングヘビ属の仲間には「人をかむ」性質があるという声もある。一般的にはそれほど危険ではないが、人の手で触れられることに反応しやすい場合があるということだ。

この仲間のヘビは、一般的に幅広い飼育環境に適応可能だ。とはいえ、体を隠せる適切な場所や、温度・湿度の適切な変化がある環境を確保するのが重要なことに変わりはない。

ペットとして人気のあるヘビの種から選びたいが、行動に多少の個性が欲しいという場合は、キングヘビの仲間がぴったりかもしれない。ただし、時に身を守ろうとして過敏な反応を示すことがある点は心得ておく必要がある。飼うヘビの種類を決める前に、目当ての種や亜種について、常に調査を欠かさないようにしておきたい。

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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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