1. ボールニシキヘビ(学名:Python regius)
ロイヤルパイソンとも呼ばれるボールニシキヘビは、ヘビ愛好家を対象とした調査で、トップもしくはトップに近い順位にランキングされることが多い。民間の愛好家や動物園など、何らかのかたちで飼育されているボールニシキヘビの数は100万匹を超えると推定されている。
生物学的、あるいは飼育の容易さという視点から見ると、ボールニシキヘビは好ましい性質をいくつか備えている。体のサイズや気質に関して言えば、中くらいの大きさ(成体で約90~150cm)で、飼育下で生まれた個体は一般的におとなしい気質の持ち主だ。
また、ボールニシキヘビには「モルフ」と呼ばれる、非常に多様な変種がある。遺伝によって生じた色や模様のバリエーションを珍重する健全な「モルフ」マーケットが存在し、これがコレクターの需要を牽引している。
市場に出回るボールニシキヘビの個体の多くは野生個体ではなく、飼育下で繁殖した個体であるため、飼育することで野生個体数に与える影響は緩和されている(ただし、野生個体もいまだに流通している)。
しかし、北米と欧州におけるボールニシキヘビの取引を検証した最近の調査によると、多くのブリーダーや販売業者における飼育環境の質は、求められるレベルに達していない(窮屈なラックに並べられた飼育ケースや、環境エンリッチメント[ヘビが登れる木の枝や隠れる場所]への配慮が足りないなどの問題がある)。また、購入者に対する飼育方法についての指導も不十分だという。
もう1つ留意すべき問題は、研究文献には、バイアスやギャップが存在しており、ヘビの身体的健康に偏っている面があることだ。(特に取引や輸送における)心理/行動面での動物福祉について綿密に調べた研究は少ない。
ボールニシキヘビは、一部のナミヘビ科のヘビに比べて、絶食状態(「ハンガー・ストライキ」)に入りやすい性質を持つ。特に、生活環境が良好とは言えない場合にはその傾向が顕著になる。
ヘビを飼いたい人で、ボールニシキヘビを候補に考えている場合には、適切なブリーダーや入手先を選ぶことをお勧めする。具体的には、飼育ケースのサイズ、気温や湿度の変化、隠れる場所や給餌などに関して適切であると確認できるところだ。
また、長い付き合いになることを覚悟しておこう。ボールニシキヘビは、良好な飼育環境であれば、15年から25年、場合によってはそれ以上長く生きることもあるからだ。


