そのほかにもベッカムは2025年、英国の高級スピーカーブランドBowers & Wilkins(バウワーズ&ウィルキンス)、ベルギーのビールブランドStella Artois(ステラ アルトワ)、米国の家電ブランドShark Ninja(シャークニンジャ)に加え、米通信大手Verizon(ベライゾン)とも契約を結んでいる。
ベライゾンは2026年に北米で開催されるFIFAワールドカップの公式スポンサーであることから、開幕に向け、今後も新たな発表があると見込まれている。
確立された「ベッカム」ブランド
「ベッカム・ブランド」の魅力を牽引し続けるのは、ベッカム個人の活動だ。SNSのフォロワー数は2024年末に約1億6800万人に達し、英国では2025年、スポーツと慈善活動への貢献が認められ、ナイトの称号を授与された。そのほかインテル・マイアミでの活動も、その世界的な影響力を高めることにつながっている。
こうした成果の背景には、最大限の成長を可能にするグループ構造がある。ブランド・マネジメントの中核を担うのは、投資会社のDBベンチャーズだ。商業・マーケティング活動の全般にわたって、戦略的パートナーたちと連携している。
ベッカムが2019年に設立した制作会社「スタジオ99」は『ベッカム』や『99』など複数のドキュメンタリー番組を制作しており、自らの名を冠したファッション・ブランドを運営する妻ヴィクトリアのドキュメンタリー番組も、先ごろNetflixで公開されている。
また、ベッカムのビジネスに関連したライセンス事業を統括するSeven Global(セブン・グローバル)は、アディダス、サフィロ、高級ウォッチのTudor(チューダー)、化粧品のCoty(コティ)との永続的パートナーシップを管理している。そのほかサッカーに関連したすべての事業を行うベッカムのFootwork Productions(フットワーク・プロダクションズ)とABGが共同で担うベッカムの事業も、2022年以降、着実に成長を続けている。
元アイドル妻の事業をサポート
一方、ベッカムは2025年8月、イギリスの女性アイドルグループ、スパイス・ガールズのメンバーだった妻と投資会社Neo Investment Partners(ネオ・インベストメント・パートナーズ)とともに、ヴィクトリアの「ファッション帝国」への追加投資を行っている。


