20代は、実務経験も浅いにもかかわらずAIに頼ってしまったことで、「これまでにない種類の失敗が発生している可能性がある」とHajimariは指摘している。中堅からシニア層にかけても、同じような失敗をしているのだが、もはやAIなしには仕事はできず、こっそり隠れて使う結果になるものと想像される。
業務に生成AIを使っている人は約45パーセント。こうしたトラブルは半数以下の人たちだけの話なのだが、本当の問題は、使っていない人にあるとHajimariは警告する。AI非利用者にこれからAIを学ぶかを尋ねると、まったく学ぶつもりがない、興味がないという人が約8割を占めた。学びたいと意欲を示す人は2割に満たない。

AI利用者の失敗を目の当たりにすると、手を出さないのが無難だと思ってしまうかもしれないが、この先もAIを使わずに仕事を続けられるかははなはだ疑問だ。心配されるのは、すでに明確になりつつあるAI格差の広がりだ。AIに依存して思わぬ失敗をする人も、AIを敬遠する人も、「AI時代にふさわしいマネジメントや指導法が確立されていないこと」が原因だとHajimariは述べている。野放しのAI利用をなんとかすることが急務だ。


