新ビジネスで国産ウールを未来へ届ける尾州イノベーター
岩田真吾|三星グループ 代表

三菱商事やボストン・コンサルティング・グループを経て、家業の老舗素材メーカー5代目に就任。LVMHグループにも生地を提供するなど欧州市場を開拓して事業を拡張しつつ、使用済みウールの再生プロジェクト「ReBirth WOOL」、ウールの使い手とつくり手をつないだ産業観光イベント「ひつじサミット尾州」など、新たな挑戦を通じて地元・尾州が誇る繊維産業全体の盛り上げに注力。

スタートアップとの共創拠点「TAKIBI & Co.」の設立など、繊維文化を未来へつなぐ取り組みの数々が高く評価されている。
新たな価値を創出し、社会からはじかれた人やモノを救う
奥山純一|CACL代表取締役

2023年に社会課題×地域資源を目指したCACLを設立。翌年の能登半島地震で被災した輪島塗職人に仮工房を提供し、破損した陶磁器の欠片を金継ぎで生かす「Stand with NOTO」を立ち上げた。

規格外の工芸品をアートへアップサイクルする「Rediscover project」やブランド「KAKERA」など、創造的復興の一助にも発展。「誰もが自分の命を燃やせる社会」を理念に、価値が見失われた人やものに新たな意味を与え、福祉の枠を超えて文化の再生・発展に貢献している。
西陣織の帯生地を使った世界的メゾンブランドを目指す
前田雄亮|N’s1182 クリエイティブディレクター

西陣織の帯生地専門織屋に生まれ、2020年にアパレルブランド「N’s1182」を設立。「本物の価値の再定義」をテーマに、従来ほかの衣服への転用が難しかった帯生地の規格サイズ(1丈1尺8寸2分)をあえて生かしたユニセックスな服を展開し、24年のJapanCraft21クラフトリーダーに選出されるなど西陣織を現代的にリデザインする事業として高評価を得た。

今年は大阪・関西万博に参加しファッションショーを開催。高齢化で転廃業が進む伝統産業に新しい魅力と需要を創出している。
観光×文化×投資を融合する金融センスでアセット再生
サンドバーグ弘ウィリアム|Kiraku創業者・代表取締役CEO

カリフォルニア大学バークレー校を卒業したのち、投資運用会社を経て、2013年にシリコンバレーでKirakuを創業。長野県塩尻市の宿場町・奈良井宿で休業していた老舗蔵元を、宿泊施設やレストランと併設するマイクロブルワリー「suginomori brewery」に再生し、そこでつくる日本酒ブランド「narai」や直販所「sagyobar」を新設することで、新たな観光目的地を生み出して地域活性化に貢献している。22年には世界的ホテルグループのハイアットとの合弁会社を設立。累計220億円の出資をうける同社ブランド「吾汝 Atona」は、現在、由布・屋久島・箱根の3拠点で、温泉のみならず地域特有の文化体感を叶える次世代型のラグジュアリー施設をつくる事業を進行している。

グローバルな金融舞台で培った才覚を生かし、過小評価されている日本の地域資産に新風を吹き込む手腕が注目されている。


