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2025.10.25 15:00

市場に惑わされない投資法、「ドル・コスト平均法」を実践するための「5つのヒント」

Shutterstock.com

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投資に関してよく言われるのが、「安く買って、高く売れ」という格言である。言葉としては単純に聞こえるが、より大きな問題は「いつ?」という点にある。つまり、いつ安く買い、いつ高く売るべきかという「市場のタイミング」を見極めることが極めて難しいという点だ。

幸いなことに、「ドル・コスト平均法(DCA)」と呼ばれる投資戦略がこの問題を解決してくれる。DCAでは、市場のタイミングを計ることをやめ、一定額を定期的に投資していく。この方法により、市場動向を予測するストレスや迷いを排除でき、誰でも気軽に資産形成を始められる。本稿では、DCAを使って投資するための5つの実践的なヒントを紹介する。

ドル・コスト平均法とは何か

DCAの本質は、株式やETF、投資信託などの特定の資産に対して、一定の金額を定期的(毎週、隔週、あるいは毎月など)に投資するというものである。

たとえば、あなたが市場全体に連動するインデックス・ファンドに毎月500ドルを投資することを決めたとする。10月にそのファンドの1口あたりの価格が100ドルであれば、5口購入できる。11月に価格が50ドルに下がれば、同じ500ドルで10口購入できる。逆に12月に価格が125ドルに上がった場合は、4口しか買えない。重要なのは、500ドルという投資額自体は常に一定であり、価格に関係なく投資を続けるという点である。

DCAの最大の利点は、感情的な行動を抑制できることである。多くの投資家が犯す最大の過ちは、市場のタイミングを狙おうとすることだ。完璧なタイミングを待ち、下落局面ではパニック売りをし、回復が進むまで再投資をためらう。このような感情的な行動サイクルが、長期的な資産形成を妨げてしまうのだ。

DCAは、この問題を感情を排除することで解決する。あらかじめ決めたスケジュールに従えば、市場の状況を気にする必要はない。相場が上がっているときは、小さく安定したポジションを取り、相場が下がっているときは、むしろ安く多くの口数を買えるチャンスとして活用できる。

DCAは、最も純粋な形の「規律ある投資法」だといえる。市場のタイミングを測るよりも、市場に居続けることの方が大事だという考えを体現しており、長期的には市場の上昇トレンドと複利の効果の恩恵を受けることができる。

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翻訳=江津拓哉

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