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2025.10.23 08:00

上昇続けていた金価格が急落 今こそ買い時か、売り時か?

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誰が金を購入しているのか?

金融バブルを研究したことがある人なら、次は金がバブルになる可能性があると認めざるを得ないだろう。では、誰が金を購入しているのだろうか? 個人投資家や機関投資家、中央銀行、工業系企業などだ。

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個人投資家は、上場投資信託(ETF)や投資信託を通じて、あるいは金貨などの現物として金を購入する。この層はバブルの最終段階で駆け込む傾向がある。投資対象が長期間上昇を続け、報道が過熱するのを見て、個人投資家はついに投資を決断する。だが残念ながら、その頃には既にバブルは終わりに近づいていることが多い。

機関投資家もかなりの金を購入している。機関投資家は投資機会が大衆に知られる前に見抜くことが多いため、賢明な投資家と見なされている。個人投資家と同様、機関投資家もETFや投資信託を通じて金を購入する。現在、金関連のファンドへの資金流入は前年比25%増加している。

金の需要源としては中央銀行もある。中国は過去数年間、購入量より多くの金を売却してきた。2024年には中国やポーランドなどが大量の金を購入した。

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工業系企業も金を購入している。金は優れた導体であり、腐食に耐えるため、プリント基板やスマートフォン、コンピューター、半導体などに使用されている。その他の需要分野としては、航空宇宙、医療、自動車分野などが挙げられる。

金は今こそ買い時か、売り時か?

さて、核心的な質問に戻ろう。今こそ金を買うべきか、売るべきか? 強気の見通しは弱気の見通しより強いのだろうか? 21日の5.5%の下落を踏まえると、金価格が上昇基調に戻る前に、一時的な下落局面が訪れる可能性がある。したがって、金に投資していない人々にとっては買い時となる可能性がある。

金需要のもう1つの源泉は恐怖心

需要が供給を上回ると、金の価格は上昇する。個人投資家、機関投資家、中央銀行、そして工業系企業は、いずれも金の買い手だ。金需要の増加の主な要因は、恐怖心だ。世界中の人々と政府は、現在の関税政策を巡る混乱を懸念している。ご存じの通り、米国は圧倒的な差をつけて世界最大の経済規模を誇っている。したがって、同国の経済は極めて回復力が高く、大きな打撃にも耐え得る。一方、小規模な国は経済基盤が脆弱(ぜいじゃく)で、関税はこれらの国々にとって問題となる可能性がある。もっとも、米国のドナルド・トランプ政権がそこまで事態を悪化させることはまずないだろう。

たとえ金価格が上昇を続けても、いずれピークを迎え、下落する時が来る。バブルが大きいほど、価格の下落も大きくなることを覚えておこう。では、21日の急落は金価格の上昇の終わりを示しているのだろうか? この急落が利益確定によるものなら(これは大幅な上昇の後には健全なことだが)、価格上昇は終わっていない……今のところは。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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