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2025.10.23 08:00

上昇続けていた金価格が急落 今こそ買い時か、売り時か?

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金(ゴールド)の価格が21日、前日比5.5%急落し、1日の下落幅としては過去10年余りで最大を記録した。それでもなお、1トロイオンス4100ドルを上回っている。

金価格が史上最高値に近い状況で、今が投資の適切なタイミングと言えるだろうか? 結局のところ、私たちは安く買って高く売りたいのではないだろうか?

現在金を所有している場合や投資を検討している場合、知っておくべきことを以下にまとめよう。覚えておくべきことは、金は配当金の支払いがないため、リターンは価格変動のみに基づいているということだ。

金のバブルと崩壊

永遠に上昇するものなどなく、金も例外ではない。近年、金価格は大幅に上昇してきたが、いずれ下落する時が来るだろう。歴史を振り返って、物事を客観的に見てみよう。金はバブルを経験し、それが長期にわたる低迷につながった。

そうしたバブルの1つが1970年代後半に発生し、金価格は1979年10月に673.60ドルでピークに達した。その後、98年8月までに62%下落し、256.10ドルの安値を記録した。79年10月のピーク値を再び上回ったのは、26年以上経った2006年5月のことだった。

金価格は11年9月に1771.90ドルでピークに達したのを機に、再び低迷期に陥った。その後、15年12月までに約40%下落し、1068.30ドルの安値を記録。11年9月の価格を上回るまでには、9年近く先の20年7月まで待たねばならなかった。要点はここだ。好調期の後には通常、低迷期が続く。

金価格は近年大幅に上昇しているものの、1978年1月~2025年9月までの年間平均リターンは6.03%に過ぎない。同じ期間におけるS&P500種株価指数の平均年率リターンは10.79%だった。つまり、1万ドルを金に投資していた場合、9万5000ドル以上に成長したのに対し、同じ金額をS&P500種株価指数に投資していた場合、40万ドルを超えていたことになる。公平を期すために申し添えておくと、1980年代~90年代にかけての株式リターンは長期平均を大きく上回っており、その水準が再現されるとは限らない。

金は需要が低迷する長期的な局面を経て大幅に割安となる時期があったが、現在は需要が堅調で、強気の見通しにつながっている。

金を巡る強気の見通し

他の多くの投資と同様、金も需要と供給の影響を受ける。供給に比べて需要が強い場合、価格は上昇し、需要が弱い場合、価格は下落する。最近の需要は堅調で、近い将来さらに強まると予想されている。それでは、誰がどのような理由で金を購入しているのだろうか?

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翻訳・編集=安藤清香

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