ストレスは心だけでなく、体にも現れる傾向があることに気づいている人もいるだろう。生理的には肩が凝ったり脈が速くなったり、あるいは何をやっても落ち着かずそわそわした感じが続いたりする。元のストレス要因がなくなっても、神経系は厳戒態勢を維持し、必要な時に身体が反応できる状態を保ち続けることがある。
南アフリカのケープタウンの研究者たちは、生理的ストレス(身体的脅威など)と心理社会的ストレス(社会的プレッシャーや感情的な緊張など)が身体と脳にどのような影響を与えるかを理解しようと試みた。2023年にヒトと動物のストレスに関する幅広い科学的研究を分析した結果、以下のことがわかった。
・短期的なストレスは適応性があり、身体が困難な状態に対応するのを助ける
・慢性的、あるいは繰り返されるストレスは認知機能を混乱させ、免疫反応を弱める。また、身体やメンタルヘルスの問題を抱えやすくする
・身体が脅威に反応するのを助けるストレスホルモンのコルチゾールのレベルと視床下部−下垂体−副腎系(HPA)軸の活動はこれらの影響に中心的な役割を果たし、長期的な上昇は記憶障害や情緒不安定、病気のリスクの増大に関連している
ここで重要なのは、ストレスの影響は個人差が大きく、遺伝や年齢、過去の経験、性格、対処戦略などの要因に影響されるということだ。
つまり、ストレスはかなり個人的なものであり、ストレス対処も同様に個人的なものだ。



