ストレス解消の新しい手法
「スローダウン」する戦略が効果的でないと感じるときは、自分を落ち着かせ、ホメオスタシス(恒常性)に注意を向けるように努めるべきだ。ホメオスタシスとは、心拍数が安定し、血圧やストレスホルモンのバランスがとれているという、生理的な「ベースライン」のことを言う。基本的にホメオスタシスとは困難な状況にあっても体内の安定を維持する身体の仕組みだ。
2021年の研究では、ホメオスタシスを安定させるための2つの確実な方法を概説している。研究ではまず、参加者をストレスを誘発する社会的状況にさらした。そして参加者を3つのグループに分けた。自分の体をなでるなどして自分を落ち着かせるよう指示されたグループ、誰かからハグされたグループ、そして誰からも触れられなかったグループだ。
自分の体に触れたグループとハグされたグループは、コルチゾール反応が急激かつ一貫して低下
その結果、自分の体に触れたグループとハグされたグループの参加者は、誰からも触れられなかったグループの人と比べてコルチゾール反応が急激かつ一貫して低下していた。自分の体に触れる行為はコルチゾールレベルをより早くベースライン近くまで回復させ、ストレス後の身体の回復を助けるのに特に効果的であることが示された。さらに、触れることによる生理的な効果は、意識的に落ち着きを感じていなくても得られる可能性がある。
ハグをする人とグループアイデンティティを共有しているかどうかは影響しない
この研究で明らかになったもう1つの重要な発見は、体に触れることの効果は社会的アイデンティティに影響されないということだ。つまり、参加者がハグをする人とグループアイデンティティを共有しているかどうかは問題ではなかった。
簡単に言うと、見知らぬ人との触れ合いでも有益だということだ。だが触れ合いが身近な人や親しい人とのものであれば、より効果的である可能性が高い。ストレスのあるときに、必要としている支援を受けているという感覚やつながりを与えることができるからだ。
研究の著者らは、この現象の背後にあるメカニズムについても説明している。
まず触れ合いによる触覚刺激によって神経受容体が活性化され、副交感神経系が刺激される。これは心拍数を低下させ、ストレス反応を調整するのに役立つ。
触れ合いはまた、絆と安全に関連しているホルモン、オキシトシンの分泌を誘発し、感情的な安らぎを与える。
ハグは、心身に安心感を与える簡単で心地よい方法
ハグはストレスを感じているときに心身に安心感を与える簡単で心地よい方法だ。また、誰かにハグしてもらうことができない場合は、自分の体を優しくなでることが自分を落ち着かせるのに効果的だ。


