正しいストレス解消法の模索
ストレス対処法を考えるとき、呼吸法や瞑想など「心を落ち着かせる」のに役立ちそうなものが真っ先に頭に浮かぶことが多い。混沌とした状態はたいてい気持ちから始まるため、もっともな戦略だ。
これらのテクニックは一部の人にとっては確かに役に立つものだが、必ずしもすべての人で効果がみられるとは限らない。神経系がすでに厳戒態勢にある場合、ただリラックスするように自分に言い聞かせたり、呼吸に集中したりするだけではもっとイライラしたり、逆に緊張が高まったりすることさえある。
瞑想は定番のストレス解消法として勧められることが多いが、専門誌『Acta Psychiatrica Scandinavica(アクタ・サイキアトリカ・スカンジナビカ)』に2020年に掲載されたシステマティックレビューでは、瞑想が誰にでも効果があるわけではないことが示唆されている。場合によっては害になることさえあるという。
研究チームは、瞑想(ヨガのような身体活動は除く)を実践した6700人以上の成人が参加した83の研究を分析した。報告された瞑想の悪影響は多岐にわたり、以下のようなものがあった。
・不安
・うつ
・認知障害
・ストレス
・知覚異常
これらのほとんどは、瞑想中または瞑想後に見られた。だが、もっと憂慮すべきは、深刻な悪影響を経験した参加者の多くがそれまでにメンタルヘルスの問題を抱えていなかったことだ。このことは、有害な反応は誰にでも起こりうることを示唆している。
研究チームは、瞑想中にネガティブな体験が起こりやすいかどうかにはいくつかの要因が影響しているとみている。そこには瞑想の強度や指導者の能力、個人の脆弱性、状況などが含まれる。
だからといって、ストレス解消手段としての瞑想や呼吸法を排除する必要はない。現在の状況や感情の状態に基づいて、どの対処法が自分にとっていつも効果的なのかを把握しておく必要があるだけだ。


