村田:現在は10代、20代の若者から70代、80代まで幅広い寄付者がいらっしゃいます。1万7000人の方たちが月額1000円以上の寄付を継続してくださるので、全体5億円ぐらいの予算の7〜8割は寄付という状態が続いています。
小沼:この経営スタイルだからこそ、警察の支援とか、課題解決のいちばん困難なところに立ち向かっていける。NPOらしい経営をし、かつ、かかわりしろを世の中の人に提供しながらやっているという、素晴らしい成功モデルだと思います。
村田:19年からは、日本における児童虐待の問題を中心に虐待の予防と虐待を受けた人たちの回復の事業を行っています。孤立しがちな妊産婦によりそう妊産婦支援事業、児童養護施設などを出た若者の巣立ちを応援するアフターケア事業です。支援団体や行政の連携を促進する活動、現場の声を制度に反映させるための政策提言もしています。
小沼:世界でも一番困難な課題を見てきた、かものはしプロジェクトが、今、日本で活動しているのも、今の時代を象徴している。
佐俣:政府や行政によるセーフティネットを網の目のように張り巡らせることは予算上不可能。民間で効率的に、それぞれタイムリーに発生する課題に対して支援、解決への取り組みを行い、効果的に広げて社会実装していくこと。それこそNPOにしかできない「ソーシャルR&D」であり、追求する価値ではないでしょうか。
斎藤:NPOとの協働で感じたのは、10年代前半のスタートアップ業界のような「黎明期の面白さ」。大企業や経済界側でもNPOへの認識も変わり、社会における意義を感じている。次は、わかりやすい成果、スタートアップにおけるユニコーンのように、みんなが課題を抱えているメジャーな課題をNPOで解決したという事例ができていくと次のステージにいくのではないでしょうか。
小沼:今回の議論で、NPOが取り組める社会課題解決の範囲は広く、深く、かつ、多様なアプローチができることがあらためて認識できました。非営利セクターは今、新しい時代への転換期で、新公益連盟も業界団体として、政府や行政、社会に向けてしっかり発信していければと思っています。


