ドナルド・トランプ大統領は21日、ホワイトハウスで記者団に対し、連邦政府が関税収入の一部を間もなく国民に分配するだろうと述べた。トランプはかねて、関税引き上げに伴う税収増を納税者に直接還元する考えを口にしている。
トランプは、連邦政府が「おそらく」「今後、かなり短期間のうちに」関税収入の一部を米国民に支給すると語った。もっとも、ほとんどの経済学者は関税コストの大半を負担しているのは米国民だと指摘している。
トランプはさらに、米国は欧州連合(EU)への関税で6500億ドル(約99兆円。1ドル=151円感謝)、日本への関税で5500億ドル(約83兆円)、韓国への関税で3500億ドル(約53兆円)の税収を得たと主張した。
しかし、複数の報道によれば米政府がこれまでに報告した関税収入は約2000億ドル(約30兆円)にとどまる。
関税収入の納税者への還元には議会の承認が必要となる可能性が高いが、トランプはこれまで、議会が承認した予算の撤回、凍結、流用を繰り返し、議会の権限に挑戦してきた経緯がある。
トランプの関税還元、受け取れる額はいくら?
はっきりした金額はまだ明らかになっていない。共和党のジョシュ・ホーリー上院議員(ミズーリ州選出)は7月、要件を満たす米国人に少なくとも600ドル(約9万円)の還付小切手を給付する法案を提出した。この法案は現在も審議中だ。
一方、トランプは今月、右派メディアのワン・アメリカ・ニュース・ネットワーク(OANN)に対し、政権内では「おそらく1000~2000ドル(約15万~30万円)」の小切手支給を検討していると述べている。
関税収入で所得税廃止?
トランプは関税収入をめぐり、直接還付以外にもさまざまな目的で活用できると示唆している。トランプ政権は今月初め、インフレや運営コストの上昇、中国との貿易戦争で打撃を受けた米国の農家向けに、関税収入を財源とする100億ドル(約1.5兆円)規模の救済策を検討していると報じられた。
また、トランプは今年4月に「相互関税」政策を発表した直後、関税収入によって多くの米国民の所得税は「完全に」廃止されるか「大幅に」減額されると主張し、「年間所得20万ドル(約3000万円)未満の人々」を重点的に対象とする方針を明言した。だが、経済学者らはこの構想に疑問を呈しており、米シンクタンクの外交問題評議会は「数学的に不可能」との見方を示している。



