製品

2025.10.22 11:30

OpenAIが独自のウェブブラウザー「ChatGPT Atlas」を発表、アルファベット株が下落

スクリーンショット(OpenAI)

スクリーンショット(OpenAI)

OpenAIは米国時間10月21日のライブ配信で、同社発のウェブブラウザー「ChatGPT Atlas」を発表した。グーグルのChromeの競合になり得るとの懸念から、アルファベットの株価は同日に2%超下落した。

OpenAIによれば、このブラウザーはmacOSですでに利用可能で、Windows、iOS、Android版は近日中に提供予定だ。

グーグルの親会社アルファベットの株価は、米国時間10月21日午後の取引で一時2.5%下落し、250.49ドル(約3万8049円)を付けた。

ChatGPT Atlasの中核機能は3つある。

1. サイドバーを通じてウェブ上でChatGPTがユーザーに伴走する機能
2. ブラウザーのメモリーを活用して検索クエリを改善する機能
3. 予約手配、オンライン注文、文書編集などの作業を代行できるモデル「ChatGPT Agent」による実行機能

このブラウザーは、ユーザーが閲覧している内容をChatGPTが把握し、ウィンドウの切り替えやスクリーンショットの取得をせずに利用できるため、やり取りがよりシームレスになる。 

ブラウザーのメモリー機能は任意であり、ユーザーは設定からアーカイブまたは削除ができる。 

エージェント機能は当初、ChatGPT PlusおよびProのユーザーのみ利用可能であることを、OpenAIのサム・アルトマンCEOはライブ配信で述べた。 

「もし[ChatGPT Atlasが]支持を得れば、人々がインターネット全般と関わる方法に根本的な変化をもたらし得る」と、バンガードの新興テクノロジー研究責任者ジョン・カンブラスはフォーブスに語った。「AtlasのAIネイティブなアーキテクチャとエージェント機能は、すでに会話型インターフェースに慣れたユーザーにとって、独自の売りになる可能性がある」。

ChatGPT AtlasとChromeのGeminiの比較

Chromeブラウザーには、すでにグーグルのAIチャットボット「Gemini」とのAI統合機能がある。すべてのユーザーにまだ提供されていない「Gemini in Chrome」は、Chrome内にフローティングウィンドウを組み込み、ユーザーがインターネット閲覧中に質問できるようにする。例えば、この機能は記事の要約、ウェブページ上の情報の比較、Googleカレンダーへの予定作成が可能である。ただし、ChatGPT Atlasとは異なり、Gemini in Chromeには現時点でエージェント機能がなく、グーグルは9月に「今後数カ月のうちに」導入すると述べている。

5000億ドル(約75兆9500億円)。これは、今月の66億ドル(約1兆円)の資金調達に続くOpenAIの評価額であり、同社のAI研究およびAIの保存・開発を支える処理リソースの強化に充てられる見込みである。

OpenAIは、Chromeと競合するにあたり、難題に直面している。SimilarWebの9月の世界データによれば、Chromeのインターネットブラウジング市場シェアは63.8%に達している。デジタルライフに深く統合されたブラウザーからユーザーを「引き離す」には、Atlasが不要な摩擦なしに価値を段違いに高められることをOpenAI自身が証明する必要があると、カンブラスは付け加えた。現在市場シェア2位のブラウザーはアップルのSafari(22.3%)である。ChatGPT Atlasのタスク実行能力は他ブラウザーとの差別化要因となり得る。ChatGPT Agentは当初、Atlasとは別に、自律的にタスクを遂行できるアシスタントとして発表されていた。ユーザーは、AIアシスタントがタスクをリアルタイムで実行する様子を確認でき、いつでも一時停止または終了できる。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事