アメリカでは、大学を休学してMLB入りをするのはごく当たり前のことで、麟太郎が歩む道には多くの可能性と希望が含まれている。ただ、日米から注視される中でも、彼は「今」だけを見つめている。
「どういう立場であっても『評価に値する人間』になるために頑張るだけです。学業もそうですが、野球選手としても長期でやっていこうと思っている中で、毎日のトレーニングや練習に対する考えは変わりません。そこはブラさずに。これからも自分に『ストレス』をかけてやっていきたいと思っています」
スタンフォード大学での時間は、麟太郎にとって刺激的なことばかりだ。だからと言って、現時点において彼の人生設計が軌道修正されることはない。野球選手として「目標にしていること、思い描いていることは変わらない」と言う麟太郎は、自身の歩みを『飛行機』に例える。
「今は滑走路にすら乗っていない状況だと思っています。離陸前ですね。だから、飛行機の機体に技術やパワーといった燃料をしっかりと蓄えたい。その状態になって滑走路に乗れるか。そこが大切だと思っています」
麟太郎が抱く今の素直な思い、「20歳の誓い」がそこには詰まっている。


